第130回 古田 幸希

“泥臭さ”を全面に出したゴルフが持ち味。今年こそシード権を獲りたい

今季、自身初のトップ10入りを果たすなど、初のシード権獲得に向け奮闘する古田 幸希プロが初登場!

大先輩から学んだ“絶対に取り返す”という姿勢

 みなさん、こんにちは。古田幸希です。僕がこのツアープロ日記でお話しさせてもらうのは今回が初めてなので、自己紹介から始めたいと思います。

 僕は2014年の秋にプロ転向したので、今年が実質プロ3年め。初めて出たファイナルQTから上位に入れたので、1年目から毎年ツアーに参戦しています。その中では今年がいちばん出場試合数が少ないのですが、ツアーにもだいぶ慣れてきて、グリーンの速さや硬さにも対応できるようになったので、今年がいちばんいいゴルフができていると思います。

 コースマネジメントにしても、アマの頃はとりあえずティショットをフェアウェイに置いておけばピンに打っていけたけれど、ツアーでは、やはりフェアウェイの左右どちらかに置いておかないとピンを狙えず、よくてパーということがあります。そういうこともだいぶ分かってきました。

 それと、今までツアーでプレーしてみて、ボールコントロールがすごく大事だなと感じるのですが、それもだいぶできるようになってきました。こうやって振ればこういう球が出るとか、こう打てばスピンが入るというのが分かってきて、それがスコアにつながってきている気がしますね。

 5月末の「ミズノオープン」では、ツアーで初めてトップ10に入ることができました。実はあの試合ではあまり調子がよくなくて、何とかパットで凌いで予選を通ったんです。それで3日目に谷口徹さんと回ることになりました。すごく緊張して(笑)、オーバーパーを打ってしまったのですが、ものすごく勉強になりました。その日の谷口さんは調子が悪そうに見えたのですが、ゴルフに芯があるというか、考えを整理して、うまくボールをコントロールしてプレーされていました。予選を通っているので腐ってもおかしくないと思うのですが、谷口さんは全然違って、「絶対に取り返す」という意思をものすごく感じました。それは僕に足りない部分で、「ゴルフに対する考え方を変えないといけないな」と感じました。それで最終日には、僕もあきらめない気持ちでプレーしました。そうしたら、前半は風の強い中でもうまくプレーすることができたんです。その時、メンタルは大事だなと改めて実感しました。

「成功させるんだ」という気持ちが人の何倍も強い松山プロ

 僕とゴルフとの出会いですが、3歳の時、父の影響で始めました。僕の生まれ育った青森・三沢には、基地の中にゴルフコースがあって、幼い頃はほとんどただのような料金でプレーできたので、ゴルフを始めた時からどんどんコースに連れて行ってもらっていましたね。ただ、僕は覚えていないのですが、自分が気に入らないショットが出るとラウンドを途中で切り上げて、練習場に戻って練習したそうです。たぶんイライラしていたんだと思います(笑)。競技に初めて出たのは小3の時と遅かったのですが、それは競技があるのを知らなかったから。全国大会の存在も小4の時に初めて知りました(笑)。周りにゴルフをする子が少なくて、そういう情報が入って来なかったんですよね。その頃は野球もやっていて、チームもそれなりにいい成績を挙げていました。でも、小6の夏に「全国小学校ゴルフ選手権」という大会で優勝した時に、ゴルフのほうが日本中を回れるし、友だちもいっぱいできるし楽しいなと思い、ゴルフ一本に絞ることにしました。プロゴルファーになろうと思ったのもその頃です。

 「ぽっちゃり王子」と呼ばれたのは中学3年の時。1学年上の遼君(石川プロ)とは同じ大会に出たことがあったのですが、遼君がツアーで初優勝して「ハニカミ王子」と呼ばれるようになったあと、僕が「東北アマ」の最終日の終盤までトップにいて、「中学生が優勝か?」と話題になりました。残念ながら負けてしまったのですが、僕がガッカリして引き揚げてきたところでメディアの人たちに囲まれて取材を受けているうちに、あのあだ名をつけられたんです。そう呼ばれるのはちょっと恥ずかしかったし、正直イヤでした。自分から名乗ったみたいな感じで言われて、「そんなことないんだけどな」と思いましたね(苦笑)。

 東北福祉大では、僕は松山(英樹プロ)さんの一つ下でした。僕が大学に入った年の「日本アマ」のマッチプレーで、土砂降りの中、松山さんと対戦したのですが、たまたま僕が勝ったんです。それをきっかけによくしてもらって、練習も一緒にするようになりました。僕は、松山さんからゴルフ部のキャプテンを引き継いだのですが、後輩の僕から見ると、松山さんはメチャクチャ芯が強いというか、自分のしたいことを必ず成功させるんだという気持ちが、人よりも何倍も強い気がします。

夢はマスターズ出場。やっぱりメジャーに出たい

 僕は、メチャクチャいいボールを打つ訳ではないし、きれいなゴルフをするとも思っていないので、すごく地味なゴルフに見えると思います(笑)。でも、特長を挙げるとしたら、攻めと守りがはっきりしている点ですね。マネジメントは大学に上がる時に勉強して、プロになってからも、他の選手のマネジメントを見て研究するようになってから、自分のマネジメントのレベルも上がったと思います。ただピンに向かって打つのではなく、「あそこに乗せれば、やさしいラインのパットが残る」とか考えてプレーしているので、ギャラリーのみなさんにはそういうところを見て欲しいですね。それはゴルフの醍醐味でもあると思うので。

 あとは、先ほどの話ともつながるのですが、まだ自信が持てない状況になった時とか、迷いが出た時に、それがそのままスコアに表れてしまうので、「これでいいんだ」というものを持ちたいなと思います。それには、技の引き出しを増やすとか、これまでとは違う考え方をすることが必要なのかもしれません。とにかく今は、調子が悪くてもうまくプレーするにはどうしたらいいかを常に考えていて、泥臭さを全面に出せればいいなと思っています。

 プロになるという夢を叶えてからは、「いつかマスターズに出たい」と思いながらプレーしてきたのですが、「ミズノオープン」では、最終日の前半を終えて上位にいたので、全英オープンの出場権のことが頭をかすめました。コースが難しかったのでプレーに集中しているつもりでしたが、やっぱりどこかで全英オープンのことを意識していたのだと思います。今度は出場権を意識しながらでもいいプレーができるようにしたいし、やっぱりメジャーには出てみたいですね。

 トップ10に入れたことで、ツアーの後半戦に出られる可能性も出てきました。限られた試合で、どうやってスコアをまとめて予選を通過して賞金を稼ぐかということを一生懸命考えながらプレーして、今年こそ何とかシード権を獲りたいと思っています。

古田 幸希(ふるた・こうき)
1992年青森県生まれ。
3歳でゴルフを始め、青森山田高1年で「東北アマチュア」初優勝(計4勝)。東北福祉大4年時にはゴルフ部は主将を務める。「日本アマチュア」で3位に入った2014年にプロ転向し、翌2015年からツアーに本格参戦中。17年の賞金ランキングは83位(「RIZAP KBCオーガスタ」終了時点)。身長173センチ、体重78キロ。血液型A。
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