第127回 出水田 大二郎 & 鍋谷 太一

今回は期待の若手男子プロ2人が初登場!前半戦のプレーのほか、ゴルフとの出会いやプロとしての目標を語ってくれます。

プロとしての大目標は、オリンピックの舞台に立つこと
~出水田 大二郎~

横峯さくら、香妻姉弟らと腕を磨いたジュニア時代

 まず、自己紹介からさせていただくと、僕は小学4年生の秋頃にゴルフを始めました。両親がゴルフをするのを見て、「僕もやってみたい」と言って始めたら、すぐにハマッてしまって。でも、僕が練習場であまりにバコバコ打つので、「これじゃいくら金があっても足りない」と(笑)。それで両親がいろいろ調べるうちに、あの「めだかクラブ」の存在を知って、自宅から自転車で通うようになりました。

 それまで水泳とか空手も習っていたのですが、めだかに入ってからはさらにゴルフが面白くなって、小学5年からはゴルフ一本に絞りました。プロをめざそうと思ったのもその頃からです。

 当時はまだ横峯さくらプロも一緒に練習していました。スゴい選手なので影響は受けたと思うのですが、実は当時のことはあまり覚えていないんです(苦笑)。ただ、練習ではそこまでスゴくはないのに、試合になると別人のようになっていいスコアを出すので、スイッチが入った時にはスゴいんだなと思いました。こっちゃん(香妻琴乃プロ)とは同級生で、彼女が小学6年のときに、弟の陣(陣一朗プロ)と一緒に僕の通う学校に転入してきました。中学校も一緒で、中学3年まで一緒にめだかで練習しました。ちなみに、スリクソンのボールやクラブは中学に入ってから使い始めて、それからずっとスリクソンなので、もう10年以上になりますね。

 高校は鹿児島市内の樟南高校に進みました。なぜその学校を選んだのかというと、僕が憧れていた秋吉翔太(プロ)君がいたから。翔太君は2つ上の先輩で、僕が高校1年の時の「九州ジュニア」では最終日の最終組で一緒に回りました(注:結果は出水田プロが優勝)。翔太君はやさしい先輩で、プロになってからも、調子の悪い時に相談すると、アドバイスをくれたり教えてくれたりするので助かっています。

チャレンジ初優勝から5年。ツアーで初のトップ10入り

 高校を卒業した年にQTを受け、ファイナルまで行ったことでチャレンジトーナメントの出場権をもらい、翌年デビュー。そうしたら2戦目で優勝。そこまでとんとん拍子で行ったので、プロとしてイケるかなと思ったのですが、そこからが・・・。当時、僕は宮崎でひとり暮らしをしながら練習していたのですが、20歳になったこともあって、お酒とか、いろいろ覚えて。あまり練習をしなくなったのが、2013年からの2年間、満足な成績を残せなかった原因です。それで両親と話し合って「鹿児島に帰っておいで」と言われ、僕も「このままじゃいかん」と思い、鹿児島に帰りました。それが一昨年のことで、それからは一生懸命練習するようになったし、地元にいる後輩のプロたちと一緒にラウンドをするようになりました。それで、去年(16年)はチャレンジで2位に3回入ることができ、裏シード(注:チャレンジトーナメントの年間賞金ランキング上位者に与えられる、翌年前半戦のツアー出場権)が獲れたんです。その時思ったのは、「やっぱり真面目に練習しないと結果は出ない」ということ。まあ、当たり前のことですけど(苦笑)。

 そうして今年、初めてツアーに参戦しているのですが、最初の3試合は予選落ち。それはツアーの雰囲気に馴染めず、浮き足立っていたからだと思います。国内開幕戦は特に緊張がひどくて、ふだんは絶対にしないアプローチでのシャンクとか、「え?」みたいなミスもしましたね(苦笑)。それでパニック気味になったり、焦ってバタバタしたりしてしまいました。でも、予選落ちしても試合会場に行って練習して、なんとか雰囲気に慣れるようにとやっていたら、徐々に慣れてきて、落ち着いてプレーできるようになりました。

 そうしたら「日本プロ」(5月第2週)では、今シーズンいちばんのゴルフができました。初日はちょっと出遅れたけれど、2日目以降は自分らしいプレーできたんです。高麗グリーンに合わせて換えたパターのフィーリングがよくて、パットが入ってくれて、その流れでショットもよくなった感じでした。最終日の「68」もパットのおかげで、ツアーで初めてトップ10(10位タイ)に入ることができました。翌週の「関西オープン」(13位タイ)でも相変わらずパットはよかったですね。

今年は最低でもシード権を。そしてダンロップフェニックスに出たい

 ツアーでプレーして感じるのは、自分はアプローチが下手だなと。ツアーではラフが深いし、グリーンも硬いですよね? そういう中でやるには、もっと引き出しを増やしていかないとと思います。そのために、他の選手に教えてもらうこともあるのですが、やはりコースを回っていろいろなシチュエーションで打たないことにはなかなか上達しないと思うんです。逆に言うと、試合に出るうちに徐々に良くなっていくんじゃないかと思います。

 一方で、ドライバーの飛距離は出るほうだと思うし、ショットの正確性も、以前は、ましなのはショートアイアンぐらいでしたが、今ではどの番手も少しは上手くなったと思うので、ギャラリーのみなさんにはショットの正確性やキレを見てほしいですね。

 日本プロでのトップ10で、「俺にもできる」という自信はかなりついたのですが、あの試合はサスペンデッドの影響で第3ラウンドの組み合わせのまま最終ラウンドも回って、おまけにインスタートだったので、上位でプレーしている感覚がなかったんです。だから今度は、最後のほうの組でトップの選手と回って結果を出せたら。それが緊張感の中でできたら一人前かなと思います。

 そして今年は「最低でも第1シードを」と思っています。それと「ダンロップフェニックス」にも出たいですね。去年、陣が出場したので応援に行ったのですが、ゴルフは観るものじゃなくてやるものだとつくづく感じて、「来年は絶対に出てやろう」と思ったんです。今、頑張れているのは、やっぱり香妻姉弟の影響もあります。頑張っている二人に負けたくないし、二人が活躍しているから「俺にもできる」と思えるんですよね。

 そして、プロとしての大目標はオリンピックに出ることです。海外でのプレーには憧れるし、チャンスがあればアメリカツアーや海外メジャーにも出てみたいけれど、僕にとってオリンピックは特別。今はまだ厳しいですが、徐々にステップアップしていって、オリンピックの舞台に立ちたいと思っています。

出水田 大二郎(いずみだ・だいじろう)
1993年鹿児島県生まれ。
9歳でゴルフを始め、中学3年から樟南高校3年まで「九州ジュニア」を4連覇。高校卒業後の2011年プロに転向し、翌12年チャレンジトーナメント参戦2戦目に19歳2ヶ月で優勝。16年チャレンジで2位に3度入る活躍で賞金ランキング7位となり、今季前半戦のツアー出場権を獲得。身長183センチ、体重83キロ。血液型AB。
出水田 大二郎プロの詳細ページはこちらをご覧ください。

いつの日か、世界をまたにかけて活躍するプロになりたい
~鍋谷 太一~

歯が立たなかった2年前にくらべ、心身の成長を実感

 僕がツアーに本格参戦するのは、今シーズンが2度目。最初は2015年だったのですが、前半戦で1度しか予選を通過できませんでした。自分では「イケるかな」と思っていたのに結果が出なかったので、けっこう挫折感を味わいました(苦笑)。でも、今年はその経験を踏まえてシーズンに入ったので、割と落ち着いてプレーできています。上手くいかない部分もあるけれど、それも分かった上でゴルフができているし、3週連続で予選を通ったり、少しずつですが自分のめざすゴルフに近づいてきたかなとは思います。

 思えば、2年前はメンタル面が足りなかったんです。予選を通らないといけないと思うと焦りが出て、ボギーが出るとさらに焦る。常に焦ってゴルフをしていたので余計に上手くいきませんでした。ツアーのセッティングでは、バーディはなかなか来ないし、無理をするとすぐにボギーになってしまいます。技術的にも、アプローチ、パットともに足りない部分があって、ツアーでは全然通用しませんでした。

 今年は「関西オープン」(5月第3週)の28位タイというのが自己ベストなのですが、あの試合もメンタルで乗り切りました(笑)。ティショットの調子が悪くて、初日にOBを2発打ってしまったのですが、「こんなことで、くじけてたまるか!」と必死にやったらバーディが6個獲れて、なんとか3オーバーで上がれました。試合中は、「どんなことがあっても絶対に負けへん!」と思えるようになったので、そこはタフになったかなと。

 体力も2年前にくらべればついた気がします。一昨年は、ファイナルQTで一打足りずに去年のツアー出場権を獲れなかったので、その後のオフは、どうしたら上手くなれるかをすごく考えました。そして、心技体すべてを自分なりに変えたんです。トレーニング方法も変えて、有酸素運動を基本にトレーニングしたり、ジムで筋力トレーニングをしたり。ジムには、オフのあいだはほぼ毎日通いました。おかげで体力がついたのですが、それでも4週連続で試合に出るとバテているので(苦笑)、まだまだ甘いですけどね。

大ギャラリーの前でのプレーに刺激を受け、16歳でプロ転向

 僕の父はティーチングプロなのですが、小学校1年までは父の仕事を知りませんでした。それが、僕が小学2年の時、父がジュニア教室を始めることになって、僕にも「やってみるか?」と。それでゴルフを始めたんです。ただ、それから2年間は週に1回ボールを打つだけで、プロになろうとは思いませんでした。でも、10歳になって、ゴルフが上手い仲良しの友だちが試合に出るというので、「僕も出てみたい」と父に言いました。それが競技に出るようになったきっかけです。

 プロを本気で意識したのは、高校1年で初めて「関西オープン」に出た時。初日はアカンかったのですが、2日目に「65」で回ったんです。その時、すごくたくさんのギャラリーの前でプレーさせてもらって刺激を受けて、「プロってスゴい。プロになりたい」と思いました。そして同じ年の9月にチャレンジの予選会を通過して、一晩悩んだ末にプロ宣言したんです。正直、プロには半分“ノリ”でなったところがあって、最初は何もかもうまくいきませんでした。その頃は苦しかったけれど、それでもなんだか楽しくて、「やったろ!」という夢は持っていました。今はあの時プロになってよかったなと思います。

 僕は昔からドライバーの飛距離には自信があって、ツアープロとしても十分やっていける飛距離だと思うのですが、方向性に関してはずっと悪かったんです。いつもOBを気にしながらティショットを打っていました。でも、「あそこはイヤやなぁ」とか考えながら打つと余計に曲がるんですよね。だから今は「あそこに打つ!」と決めて、その位置に打つことに集中するようにしていて、そのおかげで正確性が上がったと思います。

 その一方で、パーオン率は極端に低くて、それを上げるのが今の一番の課題です。それには、ショットの技術はもちろん、距離感とか風の読みがしっかりしていないといけません。ツアーでは、フェアウェイから打っても、ミドルアイアンだとグリーンに落ちてから6~7ヤードは転がるので、センターに落としても奥まで行ってしまうことがあります。だから、少し手前に落とすとか工夫しないとパーオンできません。拾って拾ってというゴルフだと長く続かないので、同じパーでもバーディ逃しのパーがいいし、その中のいくつかのチャンスを生かしてバーディを獲る、というゴルフができないと上位で戦えません。シード権を獲るためにも、もっとパーオン率は上げないといけないですね。

今の目標はシード権を獲ること。もっとテレビにも映りたい

 今の僕の目標はシード権を獲ることですが、もちろん、いずれはツアーで優勝したいと思っています。優勝という目標に徐々に近づいているとは思うのですが、全体的にもっとレベルを上げていかないといけません。それと、もっとテレビにも映りたいです(笑)。予選を通過してもインスタートばっかりなので、なかなか映らないんです。先日、CS放送の「とことん1番ホール生中継」で映ったと分かった時には、それだけで「よっしゃ!」とテンションが上がりました(笑)。せっかく試合に出られているので、早くテレビに映る位置でプレーしたいです。

 将来的にはアメリカでもプレーしてみたいですね。アメリカでは、ジュニアの頃に試合でプレーしたし、「全米オープン」の1次予選や西海岸のミニツアーにも出たことがあります。PGAツアーも一度だけ生観戦したことがあるのですが、試合会場もコースもめちゃくちゃ広くて、ギャラリースタンドも大きくて、とにかくスケールがデカい。寝転がって観ているギャラリーもいて、すごく自由な感じがして、「こういうところでプレーしてみたいな」と素直に思いました。

 ただ、僕は日本も好きなので、欲を言えば、日本の試合に出ながら、アメリカの試合にもスポット参戦したいですね。それぐらいの選手になれれば、それなりに稼いでいるはずだから、飛行機もいい席に乗れるでしょ(笑)? そうすれば、どれだけ長い時間飛行機に乗っても疲れないと思うから。早くそうなれるよう、頑張りたいと思っています。

鍋谷 太一(なべたに・たいち)
1996年大阪府生まれ。
8歳でゴルフを始め、「関西中学校ジュニア新人戦」(2011年)や「関西ジュニア」(12年)で優勝。高校1年生だった12年、16歳でプロ転向。15年ツアーに初めて本格参戦し、「日本オープン」では19位タイに。16年のファイナルQTで13位となり、今季前半戦のツアー出場権を獲得。身長177センチ、体重67キロ。血液型A。
鍋谷 太一プロの詳細ページはこちらをご覧ください。