左から、秋吉翔太プロ、出水田大二郎プロ

D-cafe リラックス・トーク

ツアー最終戦での“競演”をめざして

~秋吉翔太&出水田大二郎~

今回は、先日ツアー初優勝を飾った秋吉翔太プロと出水田大二郎プロという高校の先輩後輩コンビによる対談をお届け!

※この対談の取材は6月上旬に行ないました。

対戦して負けたジュニア競技のことは今でも覚えている ~秋吉~

翔太君は今よりも高校時代のほうが飛ばしていた ~出水田~

D-cafe:お二人は樟南高校(鹿児島県)の出身で、秋吉プロが2年先輩ですよね。初めて会った時のことは覚えていますか?

出水田:はい。僕が中学3年の夏に福岡で九州大会があって、開催コースが高校の部と同じだったんです。その時、高校の部に出ていた翔太君と初めて話をしました。

秋吉:俺と?

出水田:そうですよ(笑)!

D-cafe:(笑)。出水田プロは、秋吉プロに憧れて同じ高校に進んだそうですが、秋吉プロは、それを聞いたことは?

秋吉:ありますよ。ゴルフ部の監督さんが、「今度お前に憧れてこういう子が入ってくるぞ」と。

出水田:俺が入ってよかったでしょ?

秋吉:うるさいわ(笑)!

出水田:翔太君は飛ばし屋でメチャクチャ有名で、今よりも飛んでいました。他のショットもバチバチのイメージですね。

D-cafe:秋吉プロ、出水田プロの第一印象は?

秋吉:(間髪入れず)生意気!

出水田:ハハハハッ!

秋吉:僕は高校3年の時は絶好調だったので、正直他の選手のことは眼中になくて。誰にも負けるはずがないと思っていたのに、一度だけ負けたのが「九州ジュニア」での大二郎でした。最終日に最終組で一緒にプレーしたのですが、あの時のことは今でもはっきり覚えています。

出水田:僕もはっきり覚えています!

秋吉:アハハハハ! でも、いい勝負だったと思いますよ。監督さんも、僕らの優勝争いを喜んでいました。ただ、最近の大二郎は僕と同じ組で回ると崩れるんですよ。いい位置にいるのに自分から落ちていく。

出水田:ああ、今年の「鹿児島オープン」と「北九州オープン」ね。でも、あの2試合は翔太君が調子良すぎでしょ。2試合ともショットがバチバチでしたもん。

D-cafe:それは、秋吉プロが「負けてたまるか」という気持ちでプレーしていたから?

秋吉:それはありますね、絶対に(笑)。

D-cafe:でも、一緒に練習ラウンドをしているのを見ていると、けっこう出水田プロにアドバイスしていますよね。それは後輩だから?

秋吉:いや、下手だから(笑)。教えてあげないとわからないことがあるし。まぁ、この人、あんまり人の言うことを聞かないけど(苦笑)。

出水田:いや、取捨選択しながらやってます。それに、翔太君のアドバイスが活きてるところはありますし。

秋吉:ね、生意気でしょ? ホント、こんな感じなんです(笑)。

出水田:ハハハハ。でも、なんだかんだ言いながら教えてくれるのでありがたいです。

元々自信があったショットにパットの技術が追いついた ~秋吉~

うれしかったけれど複雑な気持ちになった先輩の初優勝 ~出水田~

D-cafe:「ミズノオープン」の最終日には、アテスト場の近くで、小田孔明プロや稲森佑貴プロなど九州出身のみなさんが秋吉プロの優勝の瞬間を待っていましたね。

出水田:はい。でも、実は僕は一度コースから出て、近くのラーメン屋にいたんです。

D-cafe:えっ!?

出水田:そうなんです(笑)。一人でラーメンを食べながらスマホで順位を見てたら、「え? 翔太君トップじゃん!」と。他の選手から電話も入ったので、急いでコースに戻ったんです。

秋吉:もし、あの場にお前がいなかったら俺かなり怒ってるよ。というか、直系の後輩がいないのは寂しすぎる(笑)。お前が同じ状況だったら、俺は絶対いるけどね。

D-cafe:(笑)。でも、出水田プロも無事に戻って、みなさんに祝福されて。

秋吉:はい、最高の気分でした。ただ、たいがいな量の水をかけられましたけど(笑)。

出水田:いや、やっぱり愛情の分でしょ。翔太君に、みんなただならぬ愛情があったと(笑)。

秋吉:とにかくすごい量だったよ。おかげでウエアがビチャビチャになった。

出水田:みんな両手にペットボトルを持っていたので、たぶん5、6リットルはかけたと思います(笑)。

D-cafe:身近な先輩がツアーで勝ってどう感じましたか?

出水田:やっぱりうれしいですよね。うれしいんですけど、ちょっとだけ「あー」みたいな(苦笑)。“先輩、やってもうたな”と。もちろん翔太君は上手いし、自分は負けてますけど、“翔太君が勝てるんだから、自分も頑張れば”という気持ちもあって(ここで秋吉プロがニヤニヤして出水田プロを見る)。何ですか、その笑いは(笑)! “何言ってんだ”って顔してますね。

D-cafe:今シーズンの秋吉プロは序盤から好調ですが、後輩から見てどこか変わったところはありますか?

出水田:正直に言うと、何というか、一時期ちょっと変でしたね。僕たちが連絡しても返事がなくて、ちょっと病んでたのかな、と。

秋吉:一昨年のファイナルQTが終わった後でしょ? ツアーに出られなくなって、年が明けて春先のチャレンジでも成績が出なくて。何もかも悪くて、不安ばっかりで(と、ここでしばし沈黙)。

出水田:でも、去年の「ダンロップスリクソン福島オープン」で上位に入って、その後の試合でも結果が出てからは、いつもの先輩に戻ったと思います。あと、パットは変わりましたよね?

秋吉:そう! 去年の6月下旬に山本さん(己沙雄プロ)に教えてもらったら、パットが劇的に変わったんです。それで福島で上位に入れて、それをきっかけにシードが獲れたので、ホント、パットのおかげです。

出水田:でも、昔からパットは得意でしたよね。

秋吉:うん。でも、ある時期から入らなくなって、その影響でアプローチも寄らなくなった。それが今はパットに不安がないから、アプローチもバンカーショットも気楽に打てるし、勝手に寄るんです(笑)。気持ちの問題ですね。

D-cafe:大躍進の要因がパットというのはちょっと意外です。

秋吉:僕の場合、ショット力ではツアーでも上位にいると思っていたので、パットが入れば上位に行ける自信はありました。ショットに関してはプロになる前もなってからも不安はほぼないし、どんな球も打てます。大二郎にも、僕と同じような球を打って欲しいんですけどね。すごくいい球も、安全な球も。

出水田:(黙ってうなずく)

D-cafe:出水田プロも去年初めてシードを獲りましたが、先輩から見て進歩していますか?

秋吉:シードと言っても準シードでしょ? それに去年は僕より多く試合に出たんですから、「よかったな」と言うほど、僕は後輩に甘くはないです。大二郎ならもっと上に行けるはずだし、今年はもう準シード自体ないから、ちゃんとシードを獲って欲しい。とはいえ、焦らず自分のゴルフをして欲しいですけどね。

大二郎にはもっとアイアンショットを磨いて欲しい ~秋吉~

難しい状況で辛抱強くプレーできれば流れに乗れる ~出水田~

D-cafe:出水田プロは、今シーズンのここまでのプレーを振り返っていかがですか?

出水田:去年より予選を通れるようになったのはいいのですが、上位には入れていないので、もうちょっと辛抱強くできればと。もったいないボギーがまだ多いので、それを我慢できれば流れに乗れると思うんですけど。

秋吉:そうだよね。忍耐。試合中に腐ったら終わっちゃうから。ボギーは絶対に出るものだし、難しいコースでは特にね。「ミズノオープン」の3日目(注:出水田プロのスコアは「83」)なんて、途中で完全に下向いてただろ? 流れが悪くなると自分の気持ちも落ちていくからズルズル行っちゃう。

出水田:そうですね・・・。

秋吉:そこで踏ん張れればいいんだけど、大二郎はまだそれができない。ま、俺も昔はできなかったけどね。先輩方が言うのは、「難しい状況の時ほど腐ってはダメだ」と。流れが悪くなっても集中力を保って、自分でいい流れを引き寄せるようならないとね。

D-cafe:あの難しいコースで勝った人の言葉だけに説得力がありますね。

出水田:そうですね。

秋吉:俺も最終日にボギーを3つ打ってるし、それ以外の日も3、4個ずつボギーを打ってるから。でも、そこでぐっと我慢して。

D-cafe:ところで、今年はドライバーの飛距離では後輩が勝っていますね。

秋吉:はい、悔しいですけど(笑)! はぁー(とため息)。でも、僕はもう飛距離はいいんです。ツアーでは、300ヤード飛ばすより、290ヤードでもフェアウェイに置いた方が絶対に有利なんです。トータルドライビングのほうが大事。

出水田:もちろん、フェアウェイに置ければそれに越したことはないですけど。

秋吉:それと大二郎にはもっとアイアンショットを磨いて欲しい。たとえば、210ヤードを正確に打てる技術があればフェアウェイをもっと広く使えるし、しっかり刻んでその距離を残すことができる。まあ、僕はショットが上手いからそれができるんですけど(笑)。

出水田:ハッハッハ。自分で言っちゃってる(笑)。

D-cafe:さて、秋吉プロは初めて海外メジャーに挑戦しますね。「全米オープン」や「全英オープン」にはどんなイメージがありますか?

秋吉:実を言うと、ゴルフ中継はほとんど観ないんです。特に自分が出た試合はね。テレビを観ている、すなわち予選落ちしたわけで、それを観ている自分が悲しくて(苦笑)。海外の試合も、観たい気持ちはあるんですけど時差が(笑)。だから、コースのイメージも湧かないのですが、今は本当にショットに自信があります。セカンドショットもフェアウェイから打てる確率が高いはずなので、何とか戦えそうな気がしているんですけど。

D-cafe:それは楽しみですね。さて、国内ツアーは中盤戦ですが、出水田プロは何を目標にプレーしますか?

出水田:そりゃもう優勝しかないです。その上でツアー最終戦(ゴルフ日本シリーズJTカップ)に出ることですね。

秋吉:俺は最終戦も決まったから。

出水田:あ、そうですよね。

秋吉:僕は元々最終戦に出るのが今年の目標だったんです。初優勝したことでそれが達成できたので、別の目標を探さないと。やっぱり次は2勝目かな。

出水田:賞金王は?

秋吉:(笑)。まあ、夢は大きくね。でも、今はメジャーで活躍したいですね。

D-cafe:わかりました。出水田プロも、早く優勝して先輩に追いつき、ツアー最終戦に行けるといいですね。

出水田:そうですね。そうなれるようガンバリます!

秋吉翔太(あきよし・しょうた)1990年熊本県生まれ。2009年プロ転向。2018年賞金ランキング:2位。

出水田大二郎(いずみだ・だいじろう)1993年鹿児島県生まれ。2011年プロ転向。2018年賞金ランキング:84位。

※賞金ランキングは6月24日時点。