D-cafe リラックス・トーク

ショットの復調が生んだ初優勝。今季中に2勝目をめざす

~出水田大二郎~

今回は、8月の「RIZAP KBCオーガスタ」で待望のツアー初優勝を飾った出水田(いずみだ)大二郎プロが登場! 優勝の舞台ウラや仲間との関係、今後の目標について語ってくれます。

高麗グリーンを攻略し、平均パットでも1位に

 みなさん、こんにちは。出水田大二郎です。おかげさまで、先月の「RIZAP KBCオーガスタ」でツアー初優勝を飾ることができました。トーナメント会場やテレビの前で応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました。

 あの試合の初日、僕は前半(イン)で2オーバーと苦しいスタートだったのですが、後半はポンポンと続けてバーディが来て「31」で回ることができました。3番のパー3でグリーン奥からの長いアプローチをチップインしてバーディが獲れた時に「おっ?」と思ったし、そこからうまく流れに乗れた気がします。続く2日目は台風の影響で風が強くて、序盤に3ホール連続ボギーにしてしまいました。でも、直後にしっかりバーディを取り返すことができて、その後もいくつかバーディが獲れたことでトップに立てました。僕は風はあまり得意ではないのですが、あの日はうまく風を使うことができた感じですね。

 そして3日目も2日目と同じ「69」で回ってトップをキープすることができて、最終日は初めて最終組でプレーすることになりました。実は去年の同じ大会でも3日目に最終組でプレーしたのですが、プレッシャーからか身体が思うように動かなかったんです。でも、今年は3日目に最終組でも伸ばせたので、「去年とは違う」と感じていました。実際に最終日の序盤の数ホールは本当に落ち着いてプレーできたし、早めにバーディが来たので助かりました。その後、追いつかれてしまったけれど、17番のバーディで一歩抜け出すことができました。結果的にあそこがターニングポイントになりましたね。優勝争いのプレッシャーはそれなりに感じましたが、そんな中でも落ち着いてプレーできたとは思います。まあ、最後のパットは手が震えたまま打ったのですが(笑)。

 そうしてあの試合を迎えたのですが、会場の芥屋ゴルフ倶楽部はチャレンジの試合で何度となくプレーしていたし、苦手意識を持っている人が多い高麗グリーンも、僕は全然苦にならないので、その点から言えば少し僕が優位だったのかもしれません。優勝という結果は出来すぎの感はありますが(笑)、やはりショットを修正してよくなったのが勝因だと思います。

 今シーズンの序盤は、予選は通過するけれど30~40位という試合が続いたのですが、調子は悪くなかったんです。噛み合わせが悪かったり、一つのホールでやらかしたりしたものの、ゴルフの内容は悪くなかったので、いずれは上位に入れるだろうと思っていました。ところが夏前に3試合続けて予選落ちしてしまって(苦笑)。あの頃はショットがバラバラになってしまったのですが、その後の「ISPSハンダマッチプレー選手権」や九州のローカル競技に出ているうちに、だいぶ修正できた感じはありました。

 もちろん、勝てたのはパットがよく入ったからだと思います(注:4日間の平均パットは1.6000で1位)。そもそも今シーズンは昨シーズンよりパットがずっといいんです。去年まではいい時と悪い時の差が激しくて、入る日は入るものの、悪い時には全然入りませんでした。でも、今年はそういう波がなくなってきた気がします。パットは、以前から翔太君(秋吉プロ)に習っていたし、他の選手からもアドバイスをもらっていたのですが、いちばん大きかったのはI・J・ジャンさんに教えてもらったこと。今年の5月頃からなのですが、そこからパットが上達した感じがありますね。

“元めだか”にとって、やっぱりさくらさんは大きな存在

 ご存じの方もいると思いますが、翔太君や僕はほとんど毎試合、孔明さん(小田プロ)と一緒に練習ラウンドをさせてもらっています。孔明さんからは、コースマネジメントや、僕が苦手にしているアプローチの打ち方などについてアドバイスをもらうのですが、激励の言葉もよくもらいます。「お前ならできる」とか「あとお前に足りないのは経験だけだから」とか。そう言っていただけるのはすごくありがたいですし、自信になっている気がします。

 優勝して「めだかクラブ」時代の仲間からもお祝いのメッセージをもらいました。こっちゃん(香妻琴乃プロ。小・中学校の同級生)は自分のインスタにお祝いのメッセージを投稿してくれたのですが、今度は彼女が初優勝したので、僕もインスタに祝福のメッセージを載せました。こっちゃんとの祝勝会はまだですが、こっちゃんや陣(香妻陣一朗プロ)、僕など、元めだかの8人のLINEグループがあって、毎年年末に鹿児島に帰ると連絡を取り合ってみんなで集まるんです。だから、祝勝会はその時でいいかなと思っています。

 そして、めだかの先輩であるさくらさん(横峯プロ)からも「おめでとう」というメッセージをもらい、食事にも誘っていただきました。残念ながら陣は都合がつかず欠席なのですが、近々さくらさんご夫妻と僕、こっちゃんで食事をすることになっています。考えてみれば、幼なじみ同士が男女ツアーで優勝するってスゴいことだと思うのですが(笑)、それはやっぱりさくらさんがスゴすぎるくらいスゴいから。みんながさくらさんを目標に頑張ってきたことがこういう結果につながっていると思うし、その意味でさくらさんの存在はやっぱり大きいですよね。

「優勝して何か変わったところは?」と聞かれますが、正直そんなに自信がついたということはありません。ただ、シード権を気にしていた時期とくらべれば、少しは余裕をもってプレーできているし、以前はできなかった攻め方ができるかなと思っています。たとえば、シード権を気にしていると無理できず、どうしても逃げてしまうことがありました。でも、これからは、優勝を賭けた一打とか、そういうショットも思い切って打てるんじゃないかと。

 初優勝はできましたが、今シーズンはまだまだ試合があるので、2勝目をめざします。そして、オリンピックにもぜひ出たいと思っています。オリンピックは、僕がプロになった時からずっと目標にしてきたんです。オリンピックに出るのは、確率としては海外メジャーに出るよりも難しいし、ワールドランキングで日本人の上位2、3人の中に入らないといけません。でも、僕の中ではオリンピックは特別。ゴルフだけでなくすべてのスポーツのイベントということで、世間からの注目度もスゴいものがありますから。東京大会までは時間が限られていますが、東京に間に合わなくても4年後があります。ひとつずつステップアップしていくだけだし、そのためにも今シーズン中に2勝目ができるよう、頑張りたいと思っています。

※「めだかクラブ」:横峯さくらプロの父、横峯良郎氏が1996年に鹿児島県内に設立したジュニアゴルファーのための練習場・スクール。

出水田大二郎(いずみだ・だいじろう)1993年鹿児島県生まれ。9歳でゴルフを始め、中学3年から樟南高校3年まで「九州ジュニア」を4連覇。2011年プロに転向し、翌年19歳2ヶ月でチャレンジトーナメント初優勝。17年ツアーで賞金ランキング66位となり初のシード権を獲得。身長183センチ、体重90キロ。血液型AB。2018年賞金ランキング:22位(9月16日時点)。