
この春、新発売された3ピースボール『スリクソン AD333 TOUR(エーディートリプルスリー ツアー)』。超がつくほどのソフトなフィーリングと、アイアンショットでの驚きの飛距離、さらにツアーボールに匹敵するアプローチスピン性能を誇る、これまでにないタイプのボールだという。では、いったいこのボールのどこが新しいのか? そして、このボールが生まれた背景とは? 商品企画を担当したダンロップスポーツマーケティングの大倉侑樹に聞いた。
Q.もともとスリクソン・ボールのラインアップは豊富だったように思うのですが、なぜそこに『スリクソン AD333 TOUR』(以下、AD333 TOUR)を加えようと考えたのでしょうか?
株式会社ダンロップスポーツマーケティング ゴルフ企画第二部
2016年よりゴルフボールの商品企画・販売企画を担当。
大倉 理由の一つは日本のゴルフボール市場の変化で、私たちが「中価格帯」と呼んでいるカテゴリーが近年大きくなってきています。それに対し、スリクソン・ボールのラインアップはというと、「スリクソン DISTANCE」に始まって、「スリクソン AD333」「スリクソン TRI-STAR」と、1ダースあたりの価格が1000円前後ずつ上がっていく階段状に並んでいるものの、「TRI-STAR」と、その上のランクの「スリクソン Z-STARシリーズ」とでは3000円ぐらいの開きがありました。つまり、ボリュームが増えつつあるゾーンに空白ができていたのです。また、それらのボールを、横軸にフィーリング、縦軸にスピン量をとって区分けした場合、スピン量が多く、かつフィーリングがやわらかいというカテゴリーには商品がありませんでした。「AD333 TOUR」は、そうした空白を埋め、そのカテゴリーの商品を求めるゴルファーに使っていただくことを目指したボールです。
Q.なるほど。すると、ユーザーにはどんなゴルファーを想定しているのでしょうか?
大倉 はい。まずヘッドスピードは、アベレージゴルファーの平均値である40m/s前後で、ソフトなフィーリングと大きな飛び、それに高いアプローチ性能を求めるゴルファーです。そして、将来的にスリクソン・ボールの最上級モデルである「Z-STARシリーズ」を使いたいとお考えのゴルファーも当てはまります。あるいは、ショートゲームでスピンをかけたいと思っていても、プロ・上級者向けボールを使うにはヘッドスピードが足りず、本来の性能を引き出せていないゴルファーにもフィットすると思います。
横軸を価格、タテ軸をアプローチスピン量とした場合のスリクソンの各ボールのポジショニング。「AD333 TOUR」が加わったことでフルラインアップが完成。好みの価格、スピン量に応じてボールを選ぶことが可能に
Q.そういう層のゴルファーというのは、たくさんいるのでしょうか?
大倉 はい、もちろんそれは私たちも気になるところなので調査、検討しました。ダンロップでは、ある大手インターネット通販サイトの協力も得て、毎年ゴルファーのデータを調査しています。そのデータによると、男性ゴルファーのうち、ヘッドスピードが42m/s以下で、かつスコアが70台~90台の割合は、およそ3割にもなることが分かっています。「AD333 TOUR」は、まさにそんなゴルファーにぴったりのボールなので、潜在的なユーザーが多いと考え、開発、発売することを決めたのです。
Q.では、改めて「AD333 TOUR」というボールの特長をおしえてください。
「Z-STARシリーズ」と同じ極薄のソフトウレタンカバーを搭載した「AD333 TOUR」。ディンプルも「Z-STARシリーズ」と同じ配列を採用。打ち出し直後の空気抵抗を抑える一方、頂点以降に大きく伸びる弾道が大きな飛びを生み出す。
大倉 構造や性能は、ツアーボールである「Z-STARシリーズ」をベースにしていて、カバー素材にはウレタンを採用しています。そのためフィーリングは非常にソフトなのですが、「Z-STARシリーズ」や同価格帯の他社のウレタンカバーボールと比べても、よりやわらかくなっています。また、いかに「AD333 TOUR」がやわらかいかをお客様に分かりやすく伝えるために、今回、ダンロップでは「フィーリング指数」というものを設けました。
Q.それはどんな指数なのですか?
大倉 ドライバーをヘッドスピード40m/sで打った時のインパクトでの衝撃力を数値化したもので、「Z-STAR XV」を100とした場合、「AD333 TOUR」のそれは「88」と小さくなっています。つまり、それだけやわらかく感じるわけです。パッティング時になると、「Z-STAR XV」の100に対し「85」と、衝撃力はさらに小さくなります。また、クラブフェースとの接触時間も、「Z-STARシリーズ」と比べて長く、フェースに食いつく感触を体感していただけるボールになっています。このように、スリクソンのウレタンボールの中で最もフィーリングがソフトなボールが「AD333 TOUR」なのです。
スリクソンのウレタンカバーボール3種のドライバーショット時(ヘッドスピード:40m/s)の衝撃力と接触時間の比較。「AD333 TOUR」は、衝撃力が最小、接触時間が最長であるため、フィーリングは最もソフト。
Q.なるほど。では、飛距離についてはいかがですか?
大倉 はい。それが2つめの特長でもあるのですが、同価格帯のある他社品と比べると、ドライバー(ヘッドスピード40m/sの場合)のトータル飛距離で2ヤード強、飛びます。また、7番アイアン(ヘッドスピード34m/sの場合)のキャリーでは4ヤード近く飛ぶというテスト結果が出ています。
ウレタンカバーと非常にソフトなコーティング。「Z-STARシリーズ」にも採用されている両者の組み合わせが、ラフからでも安定したスピン性能を実現。クリーンヒット時のスピン量との差が小さいため、アプローチショットの確率が高まる。
Q.フィーリングがとてもソフトで、なおかつ飛距離が出るというわけですね。
大倉 それともう一つ、アプローチスピン性能にも優れていて、それがこのボールの最大の特長と言えます。同じスリクソンの「TRI-STAR」は、カバーに非常にソフトなアイオノマーを使っているために、クリーンヒットした時にはかなりスピンがかかるのですが、「AD333 TOUR」もそれと同じくらいスピンが効きます。
Q.そのスピン性能は、ソフトなウレタンカバーから生まれるのですか?
大倉 ええ。それに加え、「Z-STARシリーズ」と同じ「NEW Spin Skin コーティング」という非常にソフトなコーティングを施すことでスピン性能を高めています。さらに、ラフからのショットになるとウレタンカバーの方が有利で、スピン量は「TRI-STAR」より「AD333 TOUR」の方が多くなります。そのスピン量の多さは、兄貴分の「Z-STARシリーズ」に匹敵するほどで、なおかつ、クリーンヒット時とラフからのショット時のスピン性能の差は、この3つのモデルの中でも「AD333 TOUR」が最も小さくなっています。つまり、「AD333 TOUR」は、どんな状況でも安定したスピン性能を発揮するのです。
カラーは、ホワイトに加え、「Z-STARシリーズ」でも人気の高いプレミアムホワイト、ロイヤルグリーンの計3色をラインアップ。
Q.「AD333 TOUR」が、とてもバランスのとれたボールであることはよく分かりました。最後に、ここまで読んで、このボールに興味をもってくださったゴルファーにメッセージをお願いします。
大倉 はい。SRIXONのブランドロゴには、“DEDICATED TO IMPROVING YOUR GAME”すなわち「あなたのゴルフの向上のために力を尽くします」というメッセージが添えられています。今回「AD333 TOUR」がラインアップされたことで、さらに多くのゴルファーをサポートできると考えています。ゴルフのステップアップ(向上)に合わせて使用ボールもステップアップしていただくことで、ゴルファーのみなさんの上達をサポートすることができれば大変うれしく思います。
「AD333 TOUR」の登場に合わせ、「AD333 TOUR」、飛距離・スピン・ソフトフィーリングのバランスに優れた「AD333」、飛びとスピンコントロール性能を高レベルで両立した「TRI-STAR」を2個ずつセットにした6個パック「スリクソン トライアルパック」を数量限定で発売中。打感やスピン性能など各ボールの違いを体感し、自分に合った最適なボールを見つけてスコアアップにつなげてください。また、同パックを購入された方を対象に、練習グッズやダンロップゴルフスクールの無料レッスン券などが当たる「スリクソン ステップアップキャンペーン」も実施中です。
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