ボール開発の常識を度外視することで生まれた驚きの飛び

“ブッ飛び”公認球『SRIXON -X-』ができるまで

今年8月に発売されると同時に、爆発的な売れ行きを記録しているダンロップの飛距離追求型4ピースボール『SRIXON -X-』。ダンロップがもつ技術の粋を集め、R&A公認球でありながら、近年増えている非公認球に負けない大きな飛びを実現したこのボールは、いったいどのように生まれたのか。その誕生までの軌跡を、開発担当者の証言とともに振り返ってみたい。

開発陣に自信を与えた、テスト販売品への「間違いなく飛ぶ」という賛辞

『SRIXON -X-』誕生のきっかけは、今から5年前に遡る。当時、ダンロップスポーツでは、2012年~2015年の中期経営計画の中で「Challenge 15」という技術目標を掲げた。これは、ゴルフ用品のルールを遵守しつつ、2015年までの3年間にクラブでプラス10ヤード、ボールでプラス5ヤードの計15ヤードの飛距離アップを目指すというものだった(※ヘッドスピード40m/sのゴルファーを想定)。

 この目標実現のために、ボール開発スタッフたちが動き出した。当時、ダンロップスポーツの材料研究部に所属し、ボールのミッド(中間)層の研究をしていた井上英高も、このプロジェクトに参加することになった。

井上英高(いのうえ・ひでたか)

ダンロップスポーツ(株) グローバル商品開発本部 ゴルフボール開発部

2011年入社。ゼクシオなどディスタンス系ボールの開発、研究部門でのボールの材料研究を経て、2016年よりスリクソン Z-STARシリーズ、SRIXON -X-の開発を担当。

「飛距離を伸ばす要素にはどんなものがあるのか、スタッフそれぞれが持っている考えを全部出してみようというところから開発は始まりました。『これは無理』とか『あれはダメ』という制約は一切外して考えてみようと。その後、『飛距離を追求するには、このほうがベターでは?』という議論の中で、構造や材料が絞られていきました」(井上)

 新しいボールの開発が、それまでの“常識”を度外視して進められたのが興味深い。そして計画の最終年に当たる2015年の末には、5ヤードの飛距離アップという目標がほぼ達成された。そこで気になるのが、どんな新たな技術が採用されたのかである。

「最大の特長は、現在の『スリクソン Z-STAR XV』にも搭載されている2層コアでした。2つのコアそれぞれの硬度や大きさを検討して、飛ばすための最適の組み合わせを見つけるのは難しい作業でしたが、その最適化によって、高飛距離化と低スピン化がそれまで以上に高い次元で可能になりました」(井上)

 そして、当初井上自身が開発を担当したミッド層も大きく変わった。

「ミッド層は、硬くすれば外剛内柔化が進んでスピンが減る一方で、硬くすればするほど打感も悪くなる可能性があります。かといって、やわらか過ぎるとスピンが増えてしまう。つまり、飛ばすための技術と、品質・打感とのマッチングが難しく苦心したのですが、それを最適化したことで、反発性能が高くなり、初速がそれまでよりワンランク上のミッド層ができました」(井上)

 このボールは『SRIXON -X-』(以下、-X-)と名づけられ、2016年4月に発売された。ただし、数量と窓口を限定したテスト販売という形をとった。

昨年4月に発売されたテスト販売品。市場に受け入れられるのかという開発スタッフたちの不安をよそに、そのすぐれた飛距離性能は大半のユーザーを惹きつけた。

「もちろん当初から本格的な商品化は視野に入れていました。ただ、-X-は、“間違いなく飛ぶものの、打感は硬い”という、それまでに前例のないタイプのボールです。それに、ゴルフボール市場はどちらかというとやわらかい方向にシフトしているため、社内には『そんな商品が本当に市場に受け入れられるのか?』という不安がありました。そこで、ユーザーの生の声を聞いてみようということになりました」(井上)

 そのため商品には、飛距離や打感などボールの性能に関するアンケート用紙を同封した。発売した半ダース×2000箱のうち、どれだけのユーザーが回答してくれるのか。ダンロップではおそらく3分の一程度だろうと予想していたが、ふたを開けてみると過半数の1000通を超える回答があった。そして、そのうちの約8割が「間違いなく飛ぶ」と答え、同程度のユーザーが「ぜひ今後も使いたい」と答えたのである。

「それを読んで、私自身うれしかった記憶があります。そして、すべての回答に目を通してみて分かったのは、年齢やハンディキャップに関係なく、ほぼすべてのゴルファーが飛距離を求めているという事実でした」(井上)

内部構造+空力性能。高い総合力で非公認球に負けない飛びを実現

 アンケート調査によって、飛距離に特化したボールに大きなニーズがあると確信できたことで、開発陣はさっそく商品化に取り掛かった。そこでまず目指したのが、テスト販売品の飛びにさらに磨きをかけることだった。

「飛距離を伸ばすために、大きく変えたのがディンプルです。『スリクソン Z-STARシリーズ』や『ゼクシオ SUPER SOFT X』のディンプルは、飛び姿が力強く風に負けないという良さがあります。-X-のディンプルは、それと同じ配列を採用しつつ、ディンプルの深さをチューニングしました。それにより、飛びのレベルは一段階上がったと思います」(井上)

『SRIXON -X-』(左)とテスト販売品(右)。新しいSRIXON -X-は「スリクソン Z-STARシリーズ」と同じ配列のディンプルを搭載。打ち出し直後の空気抵抗を抑えた上、頂点以降は大きく伸びることで飛距離アップにつなげる。

 また、アンケートでは、「使いたい」という声が多かったものの、「ちょっと硬い」という声も少なくなかった。そこで打感にも改良を加えることにしたが、それはドライバーの打感に限定した。

「それは、多くのユーザーがドライバーの飛距離を求めていたからです。アイアンやアプローチショットでの打感までソフトにすると、ドライバーの飛距離を落としてしまうことになります。ドライバーでの飛距離を損なうことなく、フィーリングがやわらかくなるよう、2層コアをチューニングしました。ドライバーで打った時の“つぶれ”が大きくなるよう、コアの仕様を見直したのです」(井上)

 試作したボールをテストし、データを取ってみると、テスト販売品よりも飛距離が確実に伸び、フィーリングも向上したことがわかった。さらに、さまざまなヘッドスピードのアマチュアゴルファーを対象に実打テストを行い、使用感を聞いた。

「ディンプルを変更したので、飛んでいく様子がどのように見えるか気になっていたのですが、テスターからは『テスト販売品よりも-X-のほうがドーンと前に行っている気がする』いう声が多く聞かれました。もう一つの改良点である打感に関しても、『これなら使いたい』と、テスト販売品よりも確実にやわらかさを感じている人は多かったですね」(井上)

 こうして完成した-X-は、R&Aルール公認球でありながら、他社の非公認球に負けない飛距離を誇る。飛距離を追求しつつもR&Aルールを順守したのは、ゴルフボールのトップメーカーとしてのこだわりからである。

「非公認でよければ、もっと飛ぶボールはできます。でも、非公認球を使っているゴルファーのみなさんは『このボールは公認球ではない』という思いが心のどこかにあるのではないでしょうか。そのため私たちには、ユーザーに対して、“公認球として飛ばすことを約束します”という思いが前提としてありました。個人的には、“非公認球には絶対に負けたくない”という気持ちがありましたね」(井上)

『SRIXON -X-』の断面。ボールスピードを高める役割を果たすアウターコア(緑色)と、高い打ち出し角・低スピンを生むインナーコア(黄色)の組み合わせが、ビッグドライブに欠かせない最適な初期条件を実現した。

 飛距離アップにつながる低スピン化を実現するために、コア、ミッド層、カバーのすべてにおいて、もてる技術のすべてをつぎ込んだことにプラスして、今考えられる最高のディンプルを搭載することで空力性能が格段に向上。-X-は、いわば総合力で非公認球に負けない飛びを実現した。そんなボールを開発できた理由について、井上は次のように語る。

「これまでディスタンス系ボールは、“飛ぶだけでなく、やわらかくないといけない”というのが常識でした。その延長線上で開発していたら-X-はできなかったでしょう。飛ばすためにはどうすればいいのかをゼロベースで考えたことで-X-が生まれたのだと思いますし、ディスタンス系ともスピン系とも違う、今までにないジャンルのボールができたと思います」

 飛距離不足に悩んでいるヘッドスピード30m/s台半ばのゴルファーから、50m/S前後の飛ばし屋まで、どんな層のゴルファーが打っても大きな飛距離を生む『SRIXON -X-』。もっと飛ばしたいというあなたは、ぜひ実際に打って、その飛びを体感してほしい。

「飛ばしの格言キャンペーン」最優秀賞が決定!!

【最優秀賞作品】
「オレの辞書にセカンドオナーという言葉は無い」 (埼玉県 K.Y.さん)
「刻むゴルフではなく、心に刻まれる飛距離を狙え」 (徳島県 T.T.さん)
「目指せ自分史上最高ドライブ。スコアよりも先ずは飛距離!」 (東京都 N.M.さん)

『SRIXON -X-』の発売に合わせ、WEBで募集した「飛ばしの格言」の優秀作品が決定!

最優秀賞に選ばれた上記3つの格言は、『SRIXON -X-』の雑誌広告で使われています。

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