この秋、スリクソンのプロ・上級者向けクラブがリニューアル。『NEW Z-TX』シリーズとしてデビュー。性能、機能を大きくアップさせて登場するスリクソンのフラッグシップモデルの実力やいかに? まずはドライバーとフェアウェイウッドについて、開発担当者による解説をまじえ、その中身をチェックしてみたい。
プロ・上級者の要求から生まれた二つのヘッド形状
井口 甲太郎
(いぐち・こうたろう)
SRIスポーツ 商品開発部(ゴルフクラブ商品企画担当)
1992年住友ゴム工業(株)入社。営業、広告宣伝、海外市場向けの商品企画などを経て、2008年からクラブの商品企画を担当。
(いぐち・こうたろう)
SRIスポーツ 商品開発部(ゴルフクラブ商品企画担当)
1992年住友ゴム工業(株)入社。営業、広告宣伝、海外市場向けの商品企画などを経て、2008年からクラブの商品企画を担当。
スリクソンのクラブの最上級モデルである『NEW Z-TX』。その開発は、スリクソンというブランドそのものについて考えることからスタートした。
「スリクソンが目指すのは、やはりプロや上級者に好まれるブランドというポジションであり、プロ・上級者に使ってもらえる確かな品質です。では、それらの上手いゴルファーはクラブに何を求めるのか? 上手いゴルファーにとって打ちやすいクラブとはどんなものなのか? つまり、これまで以上にプロ・上級者にターゲットを絞って企画、開発したのが『NEW Z-TX』です」
「スリクソンが目指すのは、やはりプロや上級者に好まれるブランドというポジションであり、プロ・上級者に使ってもらえる確かな品質です。では、それらの上手いゴルファーはクラブに何を求めるのか? 上手いゴルファーにとって打ちやすいクラブとはどんなものなのか? つまり、これまで以上にプロ・上級者にターゲットを絞って企画、開発したのが『NEW Z-TX』です」
オーソドックスな形状の『NEW Z-TX』
ヘッド容量460cm3で、スムーズなテークバックをイメージしやすいオーソドックスな形状。ドロー、フェードの打ち分けも自在だ。
ヘッド容量460cm3で、スムーズなテークバックをイメージしやすいオーソドックスな形状。ドロー、フェードの打ち分けも自在だ。
シャープながら安心感のある『NEW Z-TX TOUR』
430cm3のシャープな形状ながら、ややディープなヘッドが安心感を与え、ハードヒッターが思い切って振り抜ける。
430cm3のシャープな形状ながら、ややディープなヘッドが安心感を与え、ハードヒッターが思い切って振り抜ける。
商品企画を担当したSRIスポーツ商品開発部の井口甲太郎はそう話す。井口ら開発陣が基本に据えた「プロ・上級者にとっての優れた操作性」という考え方。そこから生まれたのが、ドライバーの2タイプのヘッド形状だ。
「今までにも増してモックアップ(原寸模型)をたくさん作ってプロやトップアマに見てもらい、様々な意見を聞きました。そうしてできたのが、ドロー、フェードの打ち分けがしやすくて、操作性とコントロール性能にすぐれたレギュラータイプ(460cm3)と、ややディープフェースで430cm3と小ぶりな、思い切り叩いていけるタイプのツアーモデルです」
ツアーでも、ヘッドは460cm3モデルが主流だが、中には小ぶりなヘッドを好む選手もいる。その傾向は上級者でも同じだ。そうしたプロ・上級者の要求に応えた結果、おのずと二つのヘッドが生まれたというわけだ。
「今までにも増してモックアップ(原寸模型)をたくさん作ってプロやトップアマに見てもらい、様々な意見を聞きました。そうしてできたのが、ドロー、フェードの打ち分けがしやすくて、操作性とコントロール性能にすぐれたレギュラータイプ(460cm3)と、ややディープフェースで430cm3と小ぶりな、思い切り叩いていけるタイプのツアーモデルです」
ツアーでも、ヘッドは460cm3モデルが主流だが、中には小ぶりなヘッドを好む選手もいる。その傾向は上級者でも同じだ。そうしたプロ・上級者の要求に応えた結果、おのずと二つのヘッドが生まれたというわけだ。
ウエイト交換で球筋、弾道をコントロール
付属のチューニングウエイトは7g(ステンレス・2個)、11g(タングステン・1個)、3g(チタン・1個)の3種類。出荷時には2カ所とも7gが装着されていて、同じく付属の専用レンチで素早く交換が可能。朝の練習場でその日のスイングにあわせて持ち球の微妙な修正が手軽にできる。
付属のチューニングウエイトは7g(ステンレス・2個)、11g(タングステン・1個)、3g(チタン・1個)の3種類。出荷時には2カ所とも7gが装着されていて、同じく付属の専用レンチで素早く交換が可能。朝の練習場でその日のスイングにあわせて持ち球の微妙な修正が手軽にできる。
そして、ソールの2カ所に脱着可能なウエイトを設け、それらを交換し重心深度や重心距離を変えることで、スピン量やつかまりを調整する「クイック・チューン・システム」(QTS:新重量調整機構)も、プロ・上級者にとっての優れた操作性という視点から採用された新機能だ。
「クラブを調整したら、それで球筋がどう変わるのかをすぐに知りたいはず。それはプロもアマチュアも同じでしょう。そう考えたときに、やはりこの重量調整機構はつけたほうがいいという結論に達しました」
このQTSがあれば、プロがクラフトマンにやってもらっている調整を、アマチュアでも簡単に、しかも自分でできるわけだ。スイングロボットを使ったテストでは、ウエイトを交換することで弾道が明らかに変わり、QTSを利用したプロやトップアマからも「たしかに球筋が変わる」と評価されている。
「ただし、QTSが目指したのは、あくまで上級者向けのチューニングであり、フィッティングとは違います。ある程度のレベルのゴルファーであれば持ち球があり、スイングでも球筋を調整できるはずですが、QTSはそれをクラブでサポートしますというのがコンセプト。最後の微調整に役立てくださいということです」
「クラブを調整したら、それで球筋がどう変わるのかをすぐに知りたいはず。それはプロもアマチュアも同じでしょう。そう考えたときに、やはりこの重量調整機構はつけたほうがいいという結論に達しました」
このQTSがあれば、プロがクラフトマンにやってもらっている調整を、アマチュアでも簡単に、しかも自分でできるわけだ。スイングロボットを使ったテストでは、ウエイトを交換することで弾道が明らかに変わり、QTSを利用したプロやトップアマからも「たしかに球筋が変わる」と評価されている。
「ただし、QTSが目指したのは、あくまで上級者向けのチューニングであり、フィッティングとは違います。ある程度のレベルのゴルファーであれば持ち球があり、スイングでも球筋を調整できるはずですが、QTSはそれをクラブでサポートしますというのがコンセプト。最後の微調整に役立てくださいということです」
アメリカで話題の自社製シャフト『Miyazaki Kusala』を標準装着
センター部分を厚くし、スイートエリアが拡大
『NEW Z-TX』ドライバーのフェースの裏側。従来モデルにくらべ、センターの肉厚を厚く、その上下を薄く設計。スイートエリアが上下に拡大した。また、「6分割バルジ&ロール設計」により、オフセンターショット時の飛距離と方向性のバラつきを抑えた。
『NEW Z-TX』ドライバーのフェースの裏側。従来モデルにくらべ、センターの肉厚を厚く、その上下を薄く設計。スイートエリアが上下に拡大した。また、「6分割バルジ&ロール設計」により、オフセンターショット時の飛距離と方向性のバラつきを抑えた。
プロ・上級者にとっての優れた操作性とは、目に見えない部分でも追求している。そのひとつが打球音だ。
「上級者がどんな音を好むのかを徹底的に検証しました。その結果、それが残響が短く、低く、小さめの音であることがわかりました。事実、他社のドライバーの中には残響音が短く、小さいモデルがありますが、『NEW Z-TX』の二つのドライバーでは、それよりもさらに短く、小さく上級者が好む打球音にしました」
そうして生まれた打球音は、小田孔明プロをはじめ、多くのプロやトップアマから高く評価されている。その打球音と同様に、プロ・上級者が、従来モデルにくらべて向上したと声を揃えるのが打感である。
「打球音とも関係しているのですが、フェースのセンター部分を約0.3mm厚くしました。それが打感の良さにつながっています。逆に、センターの上下は薄くし、スイートエリアを広げました。なぜかというと、アベレージゴルファーの打点がセンターを中心に斜め方向にバラつくのに対し、上級者ではタテ方向にバラつくことがわかったからです」
「上級者がどんな音を好むのかを徹底的に検証しました。その結果、それが残響が短く、低く、小さめの音であることがわかりました。事実、他社のドライバーの中には残響音が短く、小さいモデルがありますが、『NEW Z-TX』の二つのドライバーでは、それよりもさらに短く、小さく上級者が好む打球音にしました」
そうして生まれた打球音は、小田孔明プロをはじめ、多くのプロやトップアマから高く評価されている。その打球音と同様に、プロ・上級者が、従来モデルにくらべて向上したと声を揃えるのが打感である。
「打球音とも関係しているのですが、フェースのセンター部分を約0.3mm厚くしました。それが打感の良さにつながっています。逆に、センターの上下は薄くし、スイートエリアを広げました。なぜかというと、アベレージゴルファーの打点がセンターを中心に斜め方向にバラつくのに対し、上級者ではタテ方向にバラつくことがわかったからです」
「粘り」と「弾き」の絶妙の組み合わせで大きく飛ばす
『Miyazaki Kusala』の3つのバリエーション。上から、「Black 72」(手元調子)、「Blue 72」(中調子)、「Silver 61」(先中調子)。Black 72は『NEW Z-TX TOUR』に、Blue 72とSilver 61は『NEW Z-TX』にそれぞれ標準装着されているほか、特注でさまざまな重量、フレックスに対応が可能だ。
『Miyazaki Kusala』の3つのバリエーション。上から、「Black 72」(手元調子)、「Blue 72」(中調子)、「Silver 61」(先中調子)。Black 72は『NEW Z-TX TOUR』に、Blue 72とSilver 61は『NEW Z-TX』にそれぞれ標準装着されているほか、特注でさまざまな重量、フレックスに対応が可能だ。
きめ細かいフィッティングを可能にするインターナショナル・フレックス・コード
『Miyazaki Kusala』シャフトの剛性分布を4ケタで表わす「インターナショナル・フレックス・コード」。感性豊かなプロ・上級者が、自分に合った1本を選ぶ際に威力を発揮する。
『Miyazaki Kusala』シャフトの剛性分布を4ケタで表わす「インターナショナル・フレックス・コード」。感性豊かなプロ・上級者が、自分に合った1本を選ぶ際に威力を発揮する。
さらに、『NEW Z-TX』ドライバーで特筆すべきは、ツアープレミアムのカスタムシャフト『Miyazaki Kusala(クサラ)』が標準装着されている点だ。実は、このシャフトはアメリカ市場向けに開発されたもの。
シャフト全長を4つに分けて曲げ剛性を設計することで、シャフトに必要な「粘り(しなり)」と「弾き」を生み出す「Miyazaki Kusala」。昨年の米PGAツアーで、このシャフトを装着したジェリー・ケリー、ジョン・ロリンズ両選手が優勝。日本ツアーにも昨シーズン後半から投入され、小田孔明プロが昨年の「カシオワールドオープン」と、今季開幕戦の「東建ホームメイトカップ」で2勝を挙げていることや、森田理香子プロもこのシャフトを使用してツアー初優勝を飾った。こうして世界中のツアープロに支持されているシャフトを装着し、初めて日本国内で発売されるのが『NEW Z-TX』シリーズなのだ。
「ドライバーに標準装着されるのはブラック、ブルー、シルバーの3タイプで、特注対応を含めると、重量とフレックスの組み合わせにより23種類の中から選べます。また、シャフトの剛性分布を4ケタの数字で表わす『インターナショナル・フレックス・コード』を開発し、要求がシビアな上級者のフィッティングにきめ細かく対応することを目指しています」
このように、『NEW Z-TX』ドライバーは、ヘッド、シャフトともに、プロ・上級者が求める条件を高い次元で満たしているのだ。
シャフト全長を4つに分けて曲げ剛性を設計することで、シャフトに必要な「粘り(しなり)」と「弾き」を生み出す「Miyazaki Kusala」。昨年の米PGAツアーで、このシャフトを装着したジェリー・ケリー、ジョン・ロリンズ両選手が優勝。日本ツアーにも昨シーズン後半から投入され、小田孔明プロが昨年の「カシオワールドオープン」と、今季開幕戦の「東建ホームメイトカップ」で2勝を挙げていることや、森田理香子プロもこのシャフトを使用してツアー初優勝を飾った。こうして世界中のツアープロに支持されているシャフトを装着し、初めて日本国内で発売されるのが『NEW Z-TX』シリーズなのだ。
「ドライバーに標準装着されるのはブラック、ブルー、シルバーの3タイプで、特注対応を含めると、重量とフレックスの組み合わせにより23種類の中から選べます。また、シャフトの剛性分布を4ケタの数字で表わす『インターナショナル・フレックス・コード』を開発し、要求がシビアな上級者のフィッティングにきめ細かく対応することを目指しています」
このように、『NEW Z-TX』ドライバーは、ヘッド、シャフトともに、プロ・上級者が求める条件を高い次元で満たしているのだ。
番手別に形状、機能を徹底追求したフェアウェイウッド
そして、ドライバーと同時にリニューアルしたフェアウェイウッド『NEW Z-TX』も、プロ・上級者の使い勝手を意識した作りになっている。井口ら開発スタッフが最も重視したのは、ドライバーと同じくヘッド形状だ。『NEW Z-TX』フェアウェイウッドでは、用途に合わせてヘッドを番手別に設計。まず、3Wは、先代モデルよりもヘッド体積を10cm3弱大きくして慣性モーメントを上げ、安定感と安心感を高めた。5Wと7Wについては、3Wよりもヘッド形状を細長くして操作性を高めると同時に、3Wにくらべフェース角を0.5度オープンにし、つかまり過ぎないヘッドに仕上げた。
使用するシチュエーションに応じて、形状を個別に設計
『NEW Z-TX』フェアウェイウッドの#3(左)と#5。#3は従来モデルよりヘッドを大きくし、方向安定性が向上。#5と#7は、ヘッドをやや細長くし、フェース角を#3より0.5度オープンに。それによ、構えやすさ、操作性が大きくアップした。
『NEW Z-TX』フェアウェイウッドの#3(左)と#5。#3は従来モデルよりヘッドを大きくし、方向安定性が向上。#5と#7は、ヘッドをやや細長くし、フェース角を#3より0.5度オープンに。それによ、構えやすさ、操作性が大きくアップした。
「3Wのヘッドを大きくしたのも、ツアープロから『もう少し大きいほうがいい』という意見が多く聞かれたからです。実際に大きくしてみて、ツアープロ以外のプロからも『3Wは大きくなってよくなった』という評価をいただいています。5Wと7Wの細長いヘッドとややオープンのフェースも、ツアープロの意見を反映させたもの。そうすることで、上級者は扱いやすいイメージが持て、グリーンを狙っていけるのです」
また、ドライバーと同様、フェアウェイウッドでも、上級者の打点のバラつきに合わせて、スイートエリアを上下方向に拡大。弾道を操作するために打点を変えても飛距離をロスしにくい設計になっている。さらに、先代モデルにくらべ重心を低く、深くすることで、球の上がりやすさが向上。「吹け上がるのは嫌だが、打ち出し角が上がるのはOK」というツアープロたちの要求に応えた。
また、ドライバーと同様、フェアウェイウッドでも、上級者の打点のバラつきに合わせて、スイートエリアを上下方向に拡大。弾道を操作するために打点を変えても飛距離をロスしにくい設計になっている。さらに、先代モデルにくらべ重心を低く、深くすることで、球の上がりやすさが向上。「吹け上がるのは嫌だが、打ち出し角が上がるのはOK」というツアープロたちの要求に応えた。
ヒールが丸くなったリーディングエッジ
『NEW Z-TX』フェアウェイウッドのリーディングエッジ。従来モデルよりヒール側を落としヘッドの座りをよくした。また“アゴ”をより鋭角にし、上級者がフェアウェイウッドに求める球の拾いやすさを向上させた。
『NEW Z-TX』フェアウェイウッドのリーディングエッジ。従来モデルよりヒール側を落としヘッドの座りをよくした。また“アゴ”をより鋭角にし、上級者がフェアウェイウッドに求める球の拾いやすさを向上させた。
さらに、上級者ならでは形状へのこだわりを形にしたのがリーディングエッジだ。まず、これまで角張っていたヒール側を落として丸みを持たせたことで(新台形フェース)、ヘッドの座りがよくなり、より構えやすくなった。一方で、いわゆるアゴを先代モデルにくらべ鋭角にすることで、球が拾いやすいイメージが向上した。
「アベレージゴルファー向けモデルなら、アゴに丸みをつけて抜けのよさを追求しますが、上級者がフェアウェイウッドに求めるのは球の拾いやすさ。角度の違いはほんのわずかなのですが、こうした細かい部分の積み重ねが、この手のモデルには重要なんです。事実、プロたちには好評で、これに換えるプロがどんどん増えています」
また、ドライバーと同様、『Miyazaki Kusala』シャフトを標準装着し、さまざまなスイングタイプのゴルファーに対応しているのもうれしい限りだ。
形状、打感、打球音。そうした「フィーリングに働きかける部分」(井口)で、プロ・上級者の好みや要求に可能な限り応えた『NEW Z-TX』ドライバー&フェアウェイウッド。一度でも打ってみれば、その完成度の高さを実感できるはずだ。
「アベレージゴルファー向けモデルなら、アゴに丸みをつけて抜けのよさを追求しますが、上級者がフェアウェイウッドに求めるのは球の拾いやすさ。角度の違いはほんのわずかなのですが、こうした細かい部分の積み重ねが、この手のモデルには重要なんです。事実、プロたちには好評で、これに換えるプロがどんどん増えています」
また、ドライバーと同様、『Miyazaki Kusala』シャフトを標準装着し、さまざまなスイングタイプのゴルファーに対応しているのもうれしい限りだ。
形状、打感、打球音。そうした「フィーリングに働きかける部分」(井口)で、プロ・上級者の好みや要求に可能な限り応えた『NEW Z-TX』ドライバー&フェアウェイウッド。一度でも打ってみれば、その完成度の高さを実感できるはずだ。

