みなさん、ご無沙汰しています。甲斐慎太郎です。今シーズンもどうぞよろしくお願いします。
最近の僕はと言うと、1日おきにスポーツジムに行って汗を流しています。内容は、ランニングやバイクなどの有酸素運動が半分、マシンを使った軽いトレーニングが半分という感じです。去年までより有酸素運動を多くしたのは、去年初めてシーズンをフルに戦ってみて、最後の方はすごく疲れを感じたから。ツアープロを何十年も続けるためにも、体力をつけたほうがいいですからね。
これまでのオフは、毎年「今年こそやるぞ!」という気持ちでした。でも今年は、去年あれだけの成績を残せたことで、それを上回らなきゃいけないという気持ちが強いですね。不思議なもので、稼いだら稼いだで不安なものなんです。身近にいる人たちの期待も大きくて、「今年は賞金王だ」とか言ってくれますが、今は試合に出られるというだけで、いい結果が残せる保証は何もない。自分では、今年もやれるはずだとは思っていますが、「どうなるんだろう?」という不安は今まで感じなかったものです。だから、今の時期にやるべきことはやっておかないと。
クラブも毎日握っています。自宅近くのコースに行って、アプローチやパットを集中的に練習。そのあとハーフだけラウンドします。ラウンドは他のコースでもかなりしていますね。僕の場合、オフでもゲーム勘はキープしたほうがいいと思うからです。それに、やっぱりラウンドは楽しいですから(笑)。
1月には「ソニーオープンinハワイ」に出場してきました。僕にとって初めてのアメリカPGAツアーでした。結果は予選落ちでしたが、風が強くてあまりコンディションがよくなかったわりには、それなりにプレーできたかなと思っています。
ただ、グリーンの芝が日本とは違うので、パットにはかなり苦しみました。それと、ハワイにはキャディと2人で行ったのですが、2人とも英語が話せないので苦労しました。日本の会社がスポンサーだから何とかなると思っていたのですが、行ってみたらレジストレーション(出場登録)やら何やら意外と大変で(笑)。ダンロップのスタッフの方に手伝ってもらいましたが、何をどうしていいのか全然わからなくて、ゴルフに集中するまでが一苦労でした。
でも、アメリカの選手とプレーしてみて、レベルが全然違うとか、スゴいとは思いませんでした。飛距離でもハンディは感じなかったし、自分でもやれるかなという気がしました。ただ、去年の全英でも感じたことですが、世界のトップの人たちは、絶対入れなきゃいけないパーパットとか、ここぞというときのバーディーチャンスは必ず決める。そういう粘り強さが僕にはまだ足りないと感じました。
「ほんのちょっとの違い」を大切に
それでも、以前よりはチャンスをものにできるし、ピンチも凌げるようになったとは思います。それは、自分の中の引き出しがちょっとだけ増えたから。
アプローチにしても、以前はがむしゃらに、できるまで何度でも同じ方法でやろうとしていたんです。それが、「ダメなら最善の方法を試そう」と思えるようになりました。例えば、悪いライからきれいに打つのは難しいですよね? そういう状況で、バンスをうまく使ったり、ロフトの立ったクラブで打ったりというジャッジができるようになった気がします。やっぱり踏んだ場の数だけ引き出しが増えたということなんでしょう。
僕自身、去年一年でショットがすごくよくなったとか、自分が変わったという意識はないんです。今でも技術的に悩むことはあるし、結果が出ることも出ないこともある。じゃあ、上位に入ったときとそうでないときでどこが違うのかと言うと、流れとか、判断とか、本当にちょっとしたこと。でも、ほんのちょっとの違いで、1日に2打変われば4日間で8打になる。だから、そういうちょっとしたことを大切にしないといけないと思うし、それが、さらに上に行くきっかけとかヒントになりそうな気がします。
今シーズン、去年の成績を上回るためには、常に優勝争いができる位置にいないといけないのですが、僕の場合、初日の成績が悪いんです。データを見ればわかりますが、予選を通った試合のうち、初日にトップ10に入ったのは2試合だけで、50位以下の試合が半分くらいあります。で、2日目から巻き返して予選をギリギリ通って、3日目、4日目にスコアがよくなる。決勝ラウンドでワクワク、ドキドキできる、自分に期待が持てるようなゴルフをするには、やっぱり初日の立ち上がりがポイント。だから今年は、技術うんぬんより、ペース配分をうまくやるのが課題で、それができればいい結果が出ると思っています。
開幕まではまだしばらく時間がありますが、3月に入ったら、宮崎や北九州など、九州のトーナメントに何試合か出る予定です。そして、せっかく宮崎に行くので、フェニックスCCで合宿のような感じで何日か練習しようかと思っています。ラウンドももっと増やして、もう少し暖かくなったら打ち込みもするつもり。ゲーム勘を養いつつ、ショットとかパットとか、微妙に感覚を変えながら、もっといいものはないか探ろうと思っています。
甲斐慎太郎(かい・しんたろう)
1981年福岡県生まれ。
日本体育大学在学中に、関東アマ、日本アマ、日本学生などを制覇し、2004年プロ転向。08年「バナH杯KBCオーガスタ」でツアー初優勝。賞金ランキングも8位と大躍進を見せた。
身長177センチ、体重87キロ。血液型AB 。

 |
 |
|
|
|