第135回 畑岡 奈紗

ショットの復調とともに取り戻した自信。今ならアメリカツアーで戦える気がします

秋の国内ツアーで2勝&2位が2回と絶好調の畑岡プロが明かす、復調の要因とアメリカツアーへの思い

ホステスプロとして狙って叶えたプロ初優勝

 みなさん、こんにちは。畑岡奈紗です。少し前の話になりますが、9月の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」でプロ初優勝を、そして「日本女子オープン」では連覇を達成することができました。応援してくださったみなさん、本当にどうもありがとうございました。この場を借りてお礼を申し上げます。

 「ミヤギ~」は、私にとって今年4試合目の国内トーナメントでした。去年の「日本女子オープン」優勝の資格で出られるのは、あの試合と翌週の日本女子オープンで終わりだったので、密かに優勝を狙っていました。「この試合に勝てば、また日本のツアーに出られる」と。初日は少し出遅れてしまったけれど(注:2オーバー「74」の49位タイ)、2日目はピンチらしいピンチもなく、パットがよく決まってくれて「64」というスコアが出せました。最終日は、スタートでは緊張していたのですが、1番ホールでバーディが獲れて、前半だけで4つスコアを伸ばせたのがよかったと思います。ダンロップさんの試合なので、ダンロップの契約プロが優勝するのが一番いいと思っていたし、勝つことが恩返しになるという気持ちが強かったのが優勝につながったように思います。それと、あの試合が始まるまでは、日本とアメリカ、どちらのQTを受けようか悩んでいたんです。でも、優勝して日本のQTのことは考えなくてもよくなって、少し気持ちが楽になった気がします。

 プロになって初めての優勝でしたが、アマチュアでの優勝との違いは・・・、お祝いのメールなどが増えたのと、やっぱり賞金がもらえるところですね(笑)。

 そして、翌週の「日本女子オープン」では、試合が始まる前から「もしかしたら・・・」という予感はありました。会場になった我孫子ゴルフ倶楽部は、本番の前々週に2度練習ラウンドをしたのですが、その時に「広いし、私向きのコースだな」と感じたんです。試合前はまだ、すべてのショットが安定している訳ではなかったけれど、飛ばせば飛ばすほど有利になりそうなコースなので、自分の持ち味である飛距離を生かせればいい結果が出るんじゃないかと思いました。

 試合が始まってみると、実際にその通りにプレーできました。それと、アマチュアの頃は何も考えずにピンだけを狙って打っていたのに、プロになってからはそこがちょっと変わってしまって、今シーズンの夏頃までは躊躇してピンを攻められないことが多かったんです。それがあの試合では、アマチュアの頃と同じような気持ちで攻めることができました。

スイングのトップの位置を高くして球筋が安定

 優勝した2試合の会場は、どちらも練習ラウンドで初めてプレーしたコースでした。そこで勝つことができたのは、よく知っているコース以上にマネジメントがしっかりできたからだと思います。初めてのコースでは、やはり練習ラウンドに時間がかかるので大変なのですが、コースを隅々まで見て、絶対に外さなきゃいけないサイドだけは避けることを意識してプレーしました。

 秋になって自分らしいゴルフができるようになったのは、ショットに関する悩みがなくなったのがいちばんの要因だと思います。夏頃まではショットが左右に散らばっていたんです。でも、8月半ばの試合から小俣裕次朗さんにキャディをお願いするようになって、球が曲がる原因がスイングのトップの位置の低さにあることがわかりました。それで、トップを高くすることだけを気をつけて振るようになってから、球筋が安定してきました。ご存じのように、今シーズンはアメリカツアーでは自分の持ち味をまったく発揮できなかったのですが、日本に帰って来て、技術的に悪い部分を直すことができました。だから、小俣さんと出会ったのはすごくよかったと思います。

 ところで最近、私がショット前のルーティンにしているジャンプについて聞かれたのですが、あれは力を抜くのが目的で、小学生の頃からやっています。私が子どもの頃からお世話になっている方で「気」の先生をされている方がいます。その人によると、身体に力を入れた時と抜いた時とで、どちらが力を出せるかというと、実は力を抜いた時なんだそうです。ゴルフのアドレスでも、力を入れて立つよりも、ダランと立っている時のほうが力を出せると。それで、ショットの前に力を抜くにはどうしたらいいか考えた時に、「ジャンプがいいんじゃないの?」とアドバイスされてから続けています。だから、どうしても力んでしまうという方はやってみるといいかもしれませんよ。

 残念ながら今シーズンはアメリカのシード権は獲れませんでしたが、来シーズンもアメリカでプレーしたいと思っているので、QTを受験しに行きます。ショットの調子は、日本女子オープンの頃がいちばんよくて、今はそこから少し落ちてはいるのですが、今年の5、6月頃とくらべたら断然いい状態にあります。もちろん、厳しいツアーだと覚悟していますが、来年もしアメリカでプレーできれば、今のショットの状態なら今年とはまったく違うゴルフができる気がするし、いい位置で戦えるかなという感触があります。だから、来シーズンは早い時期に今年との違いを自分で感じて、「こういうショットが打てれば、これぐらいの位置にいられるんだ」というのをつかみたいと思います。それに、今年アメリカでプレーしてみて、体力差はあるものの飛距離に関してはまったく戦えないというわけではないと感じました。だからあとはショットの精度を上げていけばいいと思っています。

 とにかく、来シーズンもアメリカツアーで戦いたいので、その目標を叶えるために、精一杯頑張るつもりです。

畑岡 奈紗(はたおか・なさ)

1999年茨城県生まれ。

11歳で本格的にゴルフを始め、2015年、16年と「IMGA世界ジュニアゴルフ選手権」を連覇。16年「日本女子オープン」で17歳263日の史上最年少、さらに史上初となるアマチュアでの優勝を達成。同年10月にプロに転向。17年はUSLPGAツアーを主戦場にプレーしたが、9月の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」でプロ初優勝を飾ると、翌週の「日本女子オープン」を連覇。身長158センチ、血液型A。

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