第134回 吉田 弓美子

スイングと、『XXIO X』ドライバーと。2つの新しい武器から生まれた今季2勝目

「スタンレーレディス」で今季2勝目を飾った吉田弓美子プロが明かす勝因と“新ゼクシオ効果”

最初の一打で感じた弾きのよさと高い操作性

 みなさん、こんにちは。吉田弓美子です。日頃は温かいご声援をどうもありがとうございます。また、先日は「スタンレーレディス」で今シーズン2度目の優勝をすることができました。応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました。

 ご存じかもしれませんが、私がゼクシオの新しいモデル『XXIO X(テン)』ドライバーを実戦で使ったのは、あの試合が初めてでした。

 最初にこのドライバーを打ったのは、8月のある試合の練習日で、しかも雨の中だったのですが、一発打った瞬間、「これまでのゼクシオと違う!」と感じました。球の弾きのよさは相変わらずなのですが、一度フェース面にくっついてから弾いている感じがすごくしたんです。だから、ドローを強めにかけたいなとか、ちょっと低く打ちたいなと思った時にボールを操作しやすいじゃないかと感じました。元々ゼクシオというのは、だれでもオートマチックにやさしく飛ばせるクラブですよね? 『XXIO X』はそれにプラスして、「もうちょっとドライバーで球を操作したいんです」というゴルファーの声にも応えられる、いいクラブなんじゃないかと、初めて打った時に感じました。

 その後、9月に入ってから練習日に何度か打って、「試合で使ってみたいな」という気持ちになっていた時に「スタンレー~」を迎えました。実はあの試合では練習ラウンドをしませんでした。あの試合から、ドライバーだけでなくパターも換え、ユーティリティもアイアン型からハイブリッド(「スリクソン Z H65」)にチェンジしたので、練習に力を入れたかったからです。これからだんだん寒くなるし、調整を含めてしっかり練習しようと。それに、会場の東名カントリークラブはジュニアの頃からプレーしていて、よく知っているという事情もありました。ドライバーショットは練習日から調子がよくて、初日の朝の練習場で打った時も、感触はいいままでした。

 そうして初日がスタートしたのですが、プレーしてみて、「こんな場所からセカンドショットを打ったことがない」というホールがいくつもあったのには本当に驚きました。最終日は同じ組の他の2人が飛ばし屋だったので、アウトドライブしたのは17番ホールだけでしたが、以前なら20ヤードは置いていかれていたのが、わずか数ヤードの差で済んだので、「やっぱり飛んでいるんだな」と思ったし、セカンドショット以降が楽でした。

 それに加えて、コースを知っているから不安なく思い切り振れたし、ゆっくりめにスイングしようと意識したのがうまくいったり、いろんなことが噛み合った結果、ドライバーのあの飛距離になったのかなと思います。ショットの調子が悪いと、「だいたいあのへん」という感じで打つけれど、調子がいい時には、第2打でグリーンを狙いやすくするために、ドライバーでも「あそこに落としたい」と点で攻めていけるんです。そういうマネージメントが『XXIO X』ではできるし、あの試合でもしっかりできていたなと思います。

結果を追うより、やるべきことをやった末の優勝

 戦績を見てもらえば分かりますが、優勝する直近の数試合はショットの調子がよくなくて、パットも決まっていませんでした。それで、このままだとズルズルいってしまうので何かを変えなきゃと思い、「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」からパットのグリップを十数年ぶりに順手に戻し、スイングリズムも少しだけゆったりさせることに取り組んだんです。宮城での試合も翌週のメジャー(日本女子オープン)も大事な試合だったけれど、まだシーズンは続くし、自分のやるべきことをまずしっかりやる、それでダメならしようがないという気持ちでした。シーズン中にそれができたのは、4月に勝てていたのも一つの理由だと思います。結果は3試合続けて予選落ちでしたが、今思えば、その後につながる、とても意味のある予選落ちでした。

 今取り組んでいるスイングづくりは、ちょっとタメをつくるようなイメージで、はたから見ると「どこが変わったの?」と言われるかもしれませんが、私の中ではすごく変わっているんです。以前よりかなりゆっくり振れていて、まだ完全に自分のものにはなっていないものの、ショット自体はすごくよくなっているし、結果も出たので、これからも続けるつもりです。

 ところで今回の優勝は30代になって初めての優勝でした(笑)。10代の子たちがどんどんツアーに入ってくる一方、先輩たちが引退されたり、結婚や出産で第一線から一度離れられたりするのを目の当たりにするうち、数年前から30歳という年齢を意識するようになっていました。それで感じるのは、面白いくらい周りが見えるようになったということ。それは自分の仕事場であるツアーでの話ですが、26歳の時にLPGAのミーティング委員長(注:選手会長のような役職)をやらせていただいた名残なのか、最近、いろいろ見えたり気づいたりするんです。若い選手たちも何かあれば私に話してくれるので、私も感じたことを話すし、答えられることは答えてあげたいという思いがあります。

 とはいえ、今年は一つ上の上田桃子さんが優勝されたし、大山志保さんもいらっしゃって、先輩にはすごく強い方が多いので、プレーヤーとしては、まだまだそういう方の背中を追っていきたい気持ちはあります。正直、ちょっと休憩したいなと思うこともありますが(笑)、最近は以前ほど根詰めなくなって、それで結果が出るのですから、ゴルフって面白いなと思いますね。

 今回は、今取り組んでいることが優勝という最高の形で実を結びましたが、やりたいことが完全にできている訳ではないので、スイングなり、パットなり、自分のやるべきことを続けていくつもりです。今シーズン中にもう1勝できたらいいなという気持ちもあるけれど、欲を出しすぎるとよくないのがこの世界で、「絶対に勝ちたい!」とギラギラしていると空回りしてしまいます(笑)。なので、自分のやるべきことをやって、その先に優勝争いがあり、勝てるチャンスが来たら、また狙いたいですね。そんな感じで、これからも“ゴーイング・マイ・ウェイ”で頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。

吉田 弓美子(よしだ・ゆみこ)
1987年神奈川県生まれ。
10歳でゴルフを始め、アマチュア時代はナショナルチームでも活躍。2007年プロに転向し、11年賞金ランキング42位となり初のシード権を獲得。翌12年「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」でツアー初優勝。13年には年間3勝を挙げ賞金ランキング5位に。今季「フジサンケイレディスクラシック」と「スタンレーレディス」で2勝(ツアー通算7勝)。身長164センチ、血液型AB。

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