第124回 稲森 佑貴

目標はもちろん優勝。複数回優勝して最終戦に出られたら最高

フェアウェイキープ率は2年連続ツアーNo.1! 今年こそツアー初優勝をめざす稲森佑貴プロが登場!

体幹トレでドライバーの飛距離が10ヤードUP

 みなさん、お久しぶりです、稲森佑貴です。遅くなりましたが、今シーズンもどうぞよろしくお願いします。

 早いもので今年の男子ツアーも、もうすぐ序盤戦が終わろうとしています。ここまでの僕自身のプレーはというと、まずまずかなと思っています。ただ、国内開幕戦の「東建ホームメイトカップ」(注:最終順位は4位タイ)は残念でした。最終日の前半に3つ伸ばせたまではよかったのですが、後半はエネルギーが切れて伸ばせなかったのはちょっと悔しかったです。

 思えば、去年は初めてトップ10に入れたのが7月の「ダンロップ・スリクソン福島オープン」でした。それまで別に手を抜いていた訳ではないのですが、今年は「何日目だろうが、最初から一球一球気合いを入れてやっていこう」と。真剣にやるだけやってみて、それで噛み合わなかったらしょうがないですよね? 「まだ余裕でしょ」と思って力を100パーセント出さずにやってうまくいくこともあるかもしれないけれど、それで結果が出なければ、たんに怠けていたのと同じになってしまいますから。

 今年、早い時期から結果が出ているのは、ドライバーの平均飛距離が10ヤードぐらい伸びたことも関係しているかもしれません。去年は、一昨年に続いて最終戦(ゴルフ日本シリーズJTカップ)に出られたのはよかったのですが、やっぱり優勝して出たかった。勝てるチャンスもあったのに、それをみすみす逃したのは、やはり何かが足りないからだと考えました。それが何かを考えてみると、やっぱり飛距離だなと思ったんです。グリーンを狙うのに、ロングアイアンとミドルアイアンとではやはり全然違います。それで、セカンドショットがもう少し楽になればと思い、オフは体幹を鍛えるトレーニングに力を入れました。特に2月は、ショット練習も少ししたけれど、ほとんどトレーニング。地元の鹿児島で、トレーナーさんに組んでもらったメニューに沿って、ひとりでひたすら鍛えました。ここまでハードにトレーニングをやったのは今回が初めてでしたが、筋肉が増えたのか、体重もちょっと増えて、それが飛距離アップにつながっている気がします。ちなみに、プロテインはシーズンが始まってからも飲んでいます。

 ただ、僕は誰よりも飛ばそうとか、セカンドショットでPWを握りたいとは全然考えていないんです。僕は僕なりに飛ばしたいだけ。そこはみなさんに勘違いしないで欲しいですね(笑)。自分では5ヤード伸びれば十分だと思っていたのですが、それが結果的に10ヤード伸びたという感じです。

大切なのはフェアウェイキープ率1位より勝つこと

 たしかに、フェアウェイキープ率は気になります。でも、去年も数字にこだわったのは終盤だけなんです。フェアウェイキープ率1位を獲ったところで何にもならないし、めざす場所はそこじゃないよなと思いました。フェアウェイキープ率が50パーセント台でも勝っている人はいますからね。やはりこの世界は結果がすべてで、いくら曲がらないといっても、勝てなければ宝の持ち腐れみたいなものですから。もちろん、ティショットが曲がらないのは長所だとは思うのですが、曲がらない分、自分で言うのも何ですけど、曲げてしまった時のトラブルショットに慣れていないという面もあって・・・。だから今年は、そこまでフェアウェイキープにはこだわらずにやっています。

 プレーとは直接関係ないのですが、今年から移動は一人でして、遠征先ではホテルに泊まるようにしています。これも去年までとは違うところですね。ご存じの方もいるかもしれませんが、去年まではキャディの父とキャンピングカーで移動することが多かったんです。運転は父がしていましたが、僕も運転は嫌いじゃないのでけっこうしていました。それを今年は、飛行機に乗って試合会場の最寄りの空港に飛び、そこに置いておいた自分のワンボックスカーを運転してホテルに行く、というパターンにしています。ワンボックスカーはあくまで荷物置き場。それで走って鹿児島まで帰ると、次の会場に行くのが大変なので(笑)、次にワンボックスカーで家に帰るのは、もしかしたらシーズンが終わってからになるかもしれません。キャピングカーでも普通に寝られるけれど、ホテルに泊まると、荷物を自分の好きなようにブワーッと広げられるのがいいですね。その代わり、片付けてパッキングするのも大変ですけど(笑)。

 いま、ティショットで心掛けているのは、しっかり“振り切る”こと。これは“振り散らかす”のとは違います。振り散らかしていいのは、だだっ広いパー5でフォローが吹いている時ぐらいで、それ以外でやると、わざわざゴルフを難しくしてしまいますからね。そうではなく、目標を決めて振り切る。そうすれば、コントロールを意識しなくても、真っ直ぐなホールはもちろん、ドッグレッグのホールでもコーナーに打っていくことできちんと対応できると思います。

 ツアーも中盤戦に入っていきますが、今シーズンの目標はもちろん優勝です。そのために、予選ラウンドでは自分で設定した一日ごとのスコアをしっかり出すとか、ムービングサタデーでは、同じ組の相手に「落ち着いてるな」と思わせるゴルフをするとか、作戦はいろいろありますが、とにかく勝つ。もう、それしかありません。そして、勝てたとして、1勝だけで終わらないようにしたいと思っています。複数回優勝して、また今年も最終戦に出る。僕の中では、それが最高の流れだと思っているので、それを実現できるよう頑張るつもりです。

稲森 佑貴(いなもり・ゆうき)
1994年鹿児島県生まれ。
6歳でゴルフを始め、2011年史上最年少(当時)の16歳でプロテスト合格。12年「日本プロ」でツアーデビュー。14年チャレンジトーナメント初優勝を飾ると、レギュラーツアーで初のシード権(第2シード)を獲得。以来、昨年まで3年連続でシード権を獲得し、16年のフェアウェイキープ率71.66%は同部門歴代1位を記録。現在賞金ランキング21位(関西オープン終了時点)。身長169センチ、体重68キロ。血液型A。
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