Vol.91

NEW『スリクソン Zシリーズ(2016年モデル)』アイアンを検証する

ウッド、ユーティリティと同時に、NEW『スリクソン Zシリーズ』の3種のアイアンが2016年9月に発売されました。既に世界中のツアープロに使用されていますが、ドライバーやフェアウェイウッド、ユーティリティと同様にじっくり検証してみることにしました。(実測比較データは別表)
  1. 今回も3タイプのヘッドが登場
     アイアンも、ドライバーと同様に3タイプのヘッドが登場し、自分の好みの顔、求める弾道などに合わせて選べるようになっています。それぞれの特徴を簡単に説明しますと、フェース長はZ965が最も短く、Z765、Z565の順に長くなり、ソール幅も同じ順に広くなっていくため、Z965よりZ765、Z765よりZ565のほうがやさしくなっています。
     また、#7アイアンのロフト角はZ965→Z765→Z565の順に1度ずつ立っており、この順番に飛距離を出しやすくなっています。実際の試打感覚では、同じシャフトだと5ヤードずつくらい飛距離が変わっていくような感じです。
  2. 打感と操作性に優れたZ965
     アドレスした時の印象は、さすがスリクソンのトップモデルという感じで、ネックのストレート感、そこから続く少し丸みを帯びたリーディングエッジ、そして、ストレート系のトップライン、全てが世界に通ずるフラットバックという感じです。そして、フェースの先側には“逃げ感”があり、アドレスしてフェード系弾道でラインが出しやすいようになっている印象です。
     もちろんフラットバックなのでフェースの長さが最も短く、ソールの幅も狭いのですが、アイアンとしての機能、つまり打感が良く、またどのような弾道で何ヤードキャリーさせるかなど、プレーヤーの意図に十分に応えてくれるはずです。
     また、前モデル(Z945)よりも少しフェースが長くなり、かつ重心位置がフェースのセンター寄りになって重心距離も少し伸ばされ、ヘッドの慣性モーメントも大きくなっているので、フラットバックとして少しやさしくなっています。確かにアベレージゴルファーには見た目の難易度は高いかもしれませんが、ダウンブローに打ってターフを取るといったアイアン本来の機能を感じるには最高の道具です。
  3. 安定性能と低重心に優れたZ765
     Z965の雰囲気を残しながらも、フェースのヒール側の高さを低くすることで、アドレス時にZ965よりもアップライトに見えるようになっており、また、わずかにZ965よりもグースネックなので、ヘッドとして球がつかまりやすそうなイメージを上手く出しています。
     ゼクシオのような大きなフェース、幅の広いソールではありませんが、ヘッドの操作性や軟鉄の打感など、競技ゴルファーだけでなく、これから上を目指すアベレージゴルファーが、良いスイングを身につけて行くためにはとても良いアイアンと言えます。
     Z965よりもアドレスでのやさしいイメージと、もう少し飛距離も欲しい、さらに軟鉄の打感も欲しいというゴルファーにはお勧めです。
  4. やさしさと高弾道と飛距離が魅力のZ565
     アドレスすると、Z965、Z765と比べて最もフェースが長く、最もグースネック感が強く、また、トップラインに丸みがあるので球をつかまえる雰囲気もあり、最もやさしく打てるイメージが出ています。また、ソールの幅も最も広く、重心深度の深さを見て取れます。そして、3つの中では最もストロングロフト設定で、かつフェースには軟鉄の約3倍の硬さ、強さを持つクロムバナジウム鋼が使われ、薄肉フェースで反発性能が高く、飛距離重視設計でもあることが分かります。
     インパクト音に関して言えば、このZ565が一番高くなりますが、その分フェースの反発性能が感じられます。
  5. DSTシャフトでヘッドスピードアップ
     前シリーズ同様に、スチールシャフトで手元重心設計されたシャフトはとても特徴的です。ダイナミックゴールド、N.S.PRO 980GH DSTともにシャフトの先側の重量が手元側に配分されており、手元重心化が達成されています。
     そして、いずれもシャフトの先側から中間部が少し軟らかめに感じられ、スイングしやすくなっています。また、Z565に装着されているMiyazaki Kaula 8カーボンシャフトですが、軽量スチールの980GH仕様に比べてクラブの総重量が約18グラム軽くなって振りやすいので、ヘッド速度が上がり、より高い弾道を打ちやすくなっています。
  6. ツアーV.T.ソールを改良
     前シリーズから採用されているV字型ソールが改良され、新しい「Tour V.T.ソール」として搭載されています。強めのダウンブローに打つ時やアップヒルのライでのソールの抜け感が重視されています。
  7. レーザーミーリングによりスピンが安定
     従来のダブルレーザーミーリングが更に改良され、雨天時やラフからのショットなどで、安定したスピン性能が得やすくなっています。

松尾好員の辛口トーク

Z565のフェースはもう少し大きい方が……

 Z965とZ765のヘッドは、前モデルのZ945やZ745に比べて少しフェースが長くなり、少しやさしいイメージになったと感じています。その分、Z565はもう少しアベレージゴルファーにやさしく感じられる方が、スリクソンとしての守備範囲が広くなるような気がするのですがいかがでしょう。

NEW「スリクソン Zシリーズ」アイアン 実測データ

  Z965 #5 Z765 #5 Z565 #5 Z945 #5 Z745 #5 Z545 #5
DG S200 DG S200 NS980 S DG S200 DG S200 NS980 S
クラブ長さ inch 37.88 37.88 38.13 37.88 37.88 38.13
クラブ重さ g 424.8 423.3 410.9 419.7 420.0 405.5
スイングウエイト   D2.3 D2.0 D2.2 D2.2 D2.2 D1.6
クラブ慣性モーメント gcm² 277万 277万 276.6万 276万 276万 274万
 
ヘッド重さ g 254.8 254.5 253.9 257.0 254.3 255.7
リアルロフト deg 26.1 24.5 24.1 26.0 25.0 24.0
ライ角 deg 61.0 61.0 61.7 60.7 61.0 61.0
フェースプログレッション mm 4.2 3.7 3.5 4.3 4.1 3.9
 
重心距離 mm 35.4 35.1 35.5 33.7 35.2 35.5
重心深度(フェース面から) mm 1.7 2.0 3.3 1.8 2.5 3.7
スウィートスポット高さ mm 21.1 20.1 20.6 20.5 20.6 21.1
 
ヘッド左右慣性モーメント gcm² 2,214 2,319 2,426 2,132 2,200 2473
ヘッド上下慣性モーメント gcm² 554 568 598 546 539 617
ネック軸回りモーメント gcm² 4,845 4,763 4,923 4,502 4,725 4,977

  Z965 #7 Z765 #7 Z565 #7 Z945 #7 Z745 #7 Z545 #7
--- --- --- DG S200 DG S200 NS980 S
クラブ長さ inch --- --- --- 36.88 36.88 37.13
クラブ重さ g --- --- --- 435.6 433.7 419.9
スイングウエイト   --- --- --- D2.2 D1.7 D2.2
クラブ慣性モーメント gcm² --- --- --- 274万 273万 273万
 
ヘッド重さ g 269.1 269.4 269.9 269.2 269.5 267.4
リアルロフト deg 33.6 32.0 31.3 33.2 32.0 31.0
ライ角 deg 61.8 61.7 61.5 62.0 62.0 61.7
フェースプログレッション mm 4.9 4.4 3.7 5.0 4.3 4.0
 
重心距離 mm 35.2 35.4 34.6 33.7 35.4 35.9
重心深度(フェース面から) mm 0.6 1.7 2.6 0.7 1.0 2.3
スウィートスポット高さ mm 21.4 20.0 20.5 20.2 20.5 21.1
 
ヘッド左右慣性モーメント gcm² 2,358 2,451 2,529 2,252 2,330 2560
ヘッド上下慣性モーメント gcm² 607 606 644 595 588 657
ネック軸回りモーメント gcm² 5,107 5,229 5,178 4,845 5,085 5,415