Vol.83

『スリクソン Zシリーズ(2014年モデル)』ドライバーを検証する

ダンロップスポーツのプロモデルブランド、『スリクソン Zシリーズ(2014年モデル)』が2014年9月に発売されました。Zシリーズは「持ち球を生かした思い通りの弾道で果敢に攻めたい」競技ゴルファーに対して設計されており、ゴルファーからの期待が高いモデルです。そこで、いつもの様にクラブとヘッドを私の目線でじっくり検証してみることにしました。(実測比較データは別表)
  1. 3タイプのヘッドが同時に登場
     今回の『スリクソン Zシリーズ(2014年モデル)』のドライバーとして、前回同様に3タイプのヘッドが登場しています。分かりやすく簡単に説明しますと、小ぶりなヘッドの『Z945』、標準サイズの『Z745』、大きなヘッドの『Z545』とあり、前Z25シリーズ(2012年発売モデル)よりもスクエアフェースになり、すっきり構えやすくなっています。また、データから明確に分かるように、Z25シリーズよりも明らかに低重心化され、低スピンでの飛距離アップを実現しています。
  2. 操作性抜群の『Z945』
     個人的な感覚かも知れませんが、アドレスした時に最もヘッド形状が美しいと感じるのは、最もヘッドが小さい『Z945』です。ヘッドの輪郭、フェースプログレション(いわゆるアゴの出具合)など、すべてバランス良く設計されています。
     また、アドレス時のライ角度がややフラットに見えるので、左につかまり過ぎるイメージがなく、上級者には安心感があります。そして、ヘッド体積が小さい理由もあってフェース高さはややシャローフェースになり、その結果、フェース面のスウィートスポット高さが31ミリ台と、他社にもめったに見られないほどの低さで低めのティーアップに対して、芯を食いやすくなっています。
     また、ヘッドのネック軸回りの慣性モーメント値も3つのモデルの中では最も小さいので、ドローやフェード、弾道の高低など、インテンショナルに操作しながら弾道を操りやすくなっています。しかし、見た目にやや小さいヘッドなので、アベレージゴルファーの方には「無理」と思われる方もおられますが、「低めのティーアップの方やフェアウェイウッドとのつながりも良く、かえって打ちやすい」と感じるヤングゴルファーも少なくないです。例えば44.5~44.75インチなど短くチューンすれば、さらにヘッドを重く出来てもっと強い弾道が打てるとても良い武器になる可能性があります。
  3. ブッ飛び『Z745』
     先の『Z945』からヘッドの横幅が広くなり、形状的には三角形型のイメージがあり、ヘッドの体積も430cm³に拡大されています。『Z945』同様に、アドレス時の見た目のライ角度がフラットなので、左につかまり過ぎるイメージがなく安心感があります。確かに一般的なドライバーからしますと430cm³と言うのは「小さい」と思われる方も多いと思いますが、実際に『Z745』を試打していると、全くヘッドの小ささは気にならないものです。
     また、設計の立場から言いますと、430~440cm³くらいのヘッドが設計の自由度が高く、バランス良く機能設計がしやすいとも言えます。そこで、『Z745』の特徴ですが、実測データからも分かりますように、ずばり「スリクソン史上、最も低重心設計なドライバー」であることが分かります。
     試打されると分かりますが、基本は中弾道で、落下際ではさらに球が前へ突っ込んで行き、明らかに低スピンで飛距離も出やすくなっています。
     また、ヘッドのネック軸回りの慣性モーメントも小さく操作性も良いので、球をつかまえやすく、『Z945』同様インテンショナルに弾道を操ることも可能です。そして、個人的な相性と言えますが、標準的なフェース高さなので特別高いティーアップをする必要がないのでインパクトをレベルにスイングしやすく、ほとんど球はストレート系で飛んで行き、最もフェアウェイキープ率が高くて飛距離も出るというトータルドライビングに優れたドライバーだと思います。
  4. やさしく打てる『Z545』
     3つのモデルの中では、『Z545』がヘッドの投影面積が大きくヘッド体積は460cm³あります。45インチというクラブ長さが短く感じるほどにアドレスでの安心感が高くなっています。『Z545』も前「Z525」よりも低重心化が達成されており、「Z525」よりも球が吹き上がりにくくなっています。『Z945』や『Z745』に比べて明らかに弾道は高くなり、少しヘッド速度の遅い方でも高弾道を打ちやすくなっています。また、3つのモデルの中ではインパクト音がやや高めなのも特徴です。そして、ヘッドのネック軸回りの慣性モーメント値が最も大きいので、ダウンスイングでのヘッドの返りが一番遅くなっており、明らかに強いフックは出にくくなっています。
     試打されて、もしスリーブが標準Nポジションで球のつかまりが悪いと感じられましたらスリーブをL側にすれば球をつかまえやすくなります。実際ヘッド速度42m/sくらいのスライサーでも試打しましたが、フェース角を変えることで球がつかまった弾道を打てるようになりました。
  5. 攻めの幅を拡げる「クイックチューンシステム」搭載
     他社も含めてドライバーでのいわゆるアジャスタブルはかなり浸透してきています。
     最も操作が簡単なひとつである文字通りの「クイックチューンシステム(QTS)」が搭載されており、自分のスイング、自分の求める弾道に対してクラブを細かく調整出来るのはうれしいことです。
  6. しっかり握りやすいグリップ
     ドライバーではアジャスタブルシステムの「クイックチューンシステム(QTS)」が搭載されていますので、スリーブの向きを変えても握りのフィーリングが変わらないバックラインの無い全体に丸いグリップが装着されています。
     そして、グリップエンドが少し膨らんだ形状をしていますのでしっかりグリップしやすく、よりしっかり振り切ることが出来ます。
  7. ダンロップ独自の「デュアルスピードテクノロジー」
     前「Z25シリーズ」同様にヘッド重量は約200グラムで設定されており、インパクトでのボール初速を上げやすくなっています。一般には46インチを越える長尺ドライバーも 多く見かけますが、その多くは180グラム台の非常に軽いヘッドが装着されており、長尺であるにもかかわらず、軽いヘッドではボール初速は上がらないのです。
  8. 高い技術力が生み出す高性能シャフト装着
     今回『Z945』には中手元調子の「Miyazaki Kosuma Indigo」シャフト、『Z745』と『Z545』には中調子の「Miyazaki Kosuma Blue」シャフトといった、トルクを絞っで方向性安定に優れたシャフトが標準装着されています。また、手元重心設計でやさしく飛ばせるZシリーズ専用設計の「RX-45」シャフトも選べます。
     ダンロップスポーツではシャフトのラインアップが豊富なので、インターナショナル・フレックス・コードの数値も参考しながら、自分に合うシャフトを選ぶのも楽しみのひとつです。

松尾好員の辛口トーク

スリクソンファンならコレクターズアイテムに

 辛口コメントではないのですが、今回の「Z45シリーズ」、特に『Z945』、『Z745』のドライバーが、超低重心設計になっています。もしかしたら今後この様な低重心設計ヘッドは出て来ない可能性もありますので、低スピンで飛ばしたいスリクソンファンなら、今のうちにこの2モデルは手に入れておくべきかと思います。

SRIXON NEW Z ドライバー 実測データ

  Z945 Z745 Z545 前 Z925 前 Z725 前 Z525
9.5度 9.5度 9.5度 9.5度 9.5度 9.5度
霙INDIGO 6S 水BLUE 6S 水BLUE 6S BLACK 6S BLUE 6S BLUE 6S
クラブ長さ inch 45.0 45.0 45.0 45.0 45.0 45.0
クラブ重さ g 313.6 314.2 313.2 315.0 312.5 311.0
スイングウエイト   D2.0 D3.0 D3.0 D3.0 D2.7 D1.8
クラブ慣性モーメント gcm² 293万 292万 292万 293万 291万 289万
 
  (N位置標準ウエイト) (N位置標準ウエイト) (N位置標準ウエイト) (N位置) (N位置) (N位置)
ヘッド重さ g 202.1 201.5 201.6 201.2 200.3 199.4
ヘッド体積 ml 404 427 444 373 421 452
リアルロフト deg 10.0 9.0 9.6 10.5 10.0 10.2
ライ角 deg 58.0 58.5 58.0 58.0 58.0 58.0
フェース角 deg 0.0 0.0 0.0 HOOK 0.5 HOOK 0.5 HOOK 0.5
フェースプログレッション mm 17.7 17.8 19.4 17.5 16.7 16.9
 
重心距離 mm 36.8 33.7 38.7 36.0 36.7 39.5
重心深度 mm 34.0 35.1 37.2 34.1 35.8 37.3
フェース高さ mm 53.8 55.4 55.7 54.3 53.8 55.2
スウィートスポット高さ mm 31.6 32.1 34.4 33.2 34.8 35.8
低重心率 % 58.7 57.9 61.8 61.1 64.7 64.9
 
ヘッド左右慣性モーメント gcm² 3,618 3,801 4,436 3,419 3,860 4,085
ヘッド上下慣性モーメント gcm² 2,184 2,393 2,739 2,021 2,300 2,479
ネック軸回りモーメント gcm² 5,828 5,822 6,961 5,569 6,161 6,753