D-cafe リラックス・トーク

賞金ランキング上位にいる今がチャンス。賞金王になりたい

~星野陸也~

今回は、9月の「フジサンケイクラシック」でツアー初優勝を飾った22歳の星野陸也プロが登場! 優勝争いでの心境や畑岡奈紗プロとの交流、今年初出場した「全米オープン」等について語ります。

シーズン前半戦の優勝争いの経験が大事な場面で生きた

 みなさん、こんにちは。星野陸也です。いつも応援していただいて、ありがとうございます。また、優勝した「フジサンケイクラシック」でもたくさんの声援をいただき、本当にありがとうございました。今日はあの試合のお話からしたいと思います。

 あの試合、僕は初日からずっとトップにいて、最終日は2位に5打差をつけてのスタートだったのですが、予想通りあの日は緊張しました(笑)。あのコース(富士桜カントリー倶楽部)はアウトが難しいので、1アンダーで回れた僕は「お、いいじゃん」と思っていたら、同じ最終組の重永さんと木下さんが揃って前半だけで3つバーディを獲って(苦笑)。3打差になって全然余裕がなかったのですが、10番でかなり強く打ってしまったアプローチがチップインしてバーディが獲れて、そこで木下さんがボギーにしたことで、そこからは重永さんとの一騎打ちのような雰囲気になりました。

 その後、僕が3連続バーディを獲ると、重永さんも同じ3ホールをバーディにして、なかなか突き放せなかったのですが、18番ホールは6打差で迎えることができました。もしもベテランのプロとか、何度も優勝争いをしている選手と競っている展開だったら、やっぱり相手のほうがメンタルが強そうだし、気持ちにも余裕がありますよね? だから、自分が初優勝する時には、差をつけて最終ホールをプレーしたいと考えていたのですが、実際にその通りになったのでよかったです。

 それと、あの試合では、コースマネジメントだけでなく、メンタルのコントロールもうまくできたように思います。以前は、優勝争いになるとどうしても焦ってしまっていました。でも、今シーズンは前半戦で何度か優勝争いを経験できたことで、あの日は焦らず落ち着いてプレーすることができました。

 あの日、両親が観に来ているのは知っていましたが、二人とも僕から見えないように観戦してくれていたんです。でも、最終ホールでは完全にどこにいるのか分かっていたし、優勝が決まって父に名前を呼ばれたら、涙がブワーッと(笑)。

 優勝してたくさんの方からお祝いのメッセージをいただきましたが、(畑岡)奈紗ちゃんからも「おめでとうございます!」というLINEをもらいました。奈紗ちゃんとは同郷(茨城県笠間市)で、彼女が高校1年の時から県のアマチュア連盟の活動で顔を合わせていました。去年、彼女がアメリカで結果を残せずに日本に帰って来て、「一緒にラウンドお願いします」と連絡をもらった時には、宍戸ヒルズCCを回りましたよ。本当は「こちらこそお願いします」って感じでしたけどね(笑)。奈紗ちゃんも今年はアメリカで勝ったし、彼女の活躍を見るのはやっぱり刺激になりますね。

初優勝をもたらした海外メジャーでの学びとフェード解禁

 ご存じの方もいるかと思いますが、今年、僕は「全米オープン」に出場しました。初めて海外メジャーの出てみて、本当にたくさんのことを学んだし、「強くなるためには、まだまだやらなきゃいけないことがあるな」と痛感したんです。身体のことから、クラブ、スイング、ショットのことまですべてです。それで思ったのは、「すぐに優勝できなくてもいい」ということ。運よく、わけも分からず優勝するより、時間がかかっても、一つひとつやるべきことをやって、それが上手くできるようになってから優勝できたらいいなと。そう思っていたら優勝してしまって(笑)。だから、優勝は僕の予想より早かったのですが、打ち方とかリズムとか、全米オープンでひらめいたものに自分なりに取り組んでいたのがいい方向に進んで、そこに調子のよさが重なって優勝できた。自分がやってきたことが当たっているんだなと実感できたし、それが優勝という結果にむすびついて本当によかったなと思います。

 ちなみに「フジサンケイクラシック」でも打った、低くて距離の出るドライバーのティショットですが、あれは絶対に曲げたくない時に僕が昔から得意にしている特別な打ち方で、トウ側のフェースの下のほうに当ててドローを打ちます。低いフェードというのは、ヒール側に当てれば簡単に打てると思うのですが、それだと飛距離が出ないし、スピンがかかりすぎてふけ上がってしまうこともあります。当然、風にも弱いですよね。でも、トウ寄りのフェースの下っ面に当てれば、スピンが増えすぎないし、球が低くてもドロップしません。風にも強いので、飛ばしたいなら低いドローなんです。

 今シーズンの自分のゴルフを分析すると、アイアンショットの精度が上がって、ベタピンにつくことが増えたように思います。平均パットのデータがよくなっているのも、それが理由です。それと、僕は一昨年にスイング改造を始めて、去年1年間は自分の持ち球であるフェードを封印していたんです。ドローのスイングを基本にしたかったからです。それに取り組んでいるあいだにフェードを打つ動きをすると、スイングがおかしくなってしまうと思ったんです。それが今シーズンに入って、自分の中で新しいスイングがある程度固まったことで、そろそろいいだろうと思ってフェードを解禁しました。実際、「フジサンケイクラシック」も、4位タイに入った「ダイヤモンドカップ」もフェード向きのホールが多かったので、8割はフェードで攻めました。フェードを解禁してショットのバリエーションを増やそうと決めたこともよかったんじゃないかと思います。

 男子ツアーも終盤戦ですが、今、せっかく賞金ランキング上位にいるので、賞金王をめざしたいと思っています。僕の大きな目標であるオリンピックに出るには、今年と来年の成績が関わってきます。その目標を叶えるためにも賞金王になりたいし、残りの試合でまた優勝できるよう頑張るつもりです。

星野陸也(ほしの・りくや)1996年茨城県生まれ。6歳でゴルフを始め、高校時代に「関東ジュニア」、大学で「文部科学大臣杯争奪全日本大学・高等学校ゴルフ対抗戦」に優勝。2016年プロに転向し、翌17年チャレンジトーナメント(現AbemaTVツアー)初優勝。同年ツアーで賞金ランキング31位となり初のシード権を獲得。身長186センチ、体重75キロ。血液型O。2018年賞金ランキング:7位(10月21日時点)。